観音院 (岡谷市)

観音院は、長野県岡谷市湊四丁目に位置する真言宗智山派の寺院で、山号を龍光山と称します。本尊は十一面観音で、地域の人々からは「小坂観音院」として親しまれています。

由緒

観音院は、かつて諏訪大社の社坊として存在していました。中世には諏訪氏の祈願所となり、諏訪湖を見渡せる景勝の良い高台にその姿を構えています。江戸時代に入り、諏訪藩主の諏訪忠恒によって中興され、現在の寺観が形成されました。本堂は、正徳5年（1715年）に諏訪忠虎によって再建されたもので、当時の建築技術と美意識を今に伝えています。

歴史的背景と文化

観音院は、歴史小説やドラマの舞台としても知られています。井上靖の著書「風林火山」では、諏訪頼重の娘である由布姫（諏訪御料人）が、武田信玄の側室となり、武田勝頼を産んだ後、この観音院で暮らしたという設定で描かれています。この設定は、井上靖の小説を原作とした平成19年（2007年）のNHK大河ドラマ「風林火山」にも反映され、観音院がドラマのロケ地としても使用されました。

境内

昭和38年（1963年）には、境内の高台に由布姫の供養塔が建立されました。この供養塔は、由布姫の霊を慰めるとともに、観音院を訪れる人々に歴史を感じさせる場所となっています。

観音院は、その歴史的背景と美しい景観から、岡谷市を代表する名所の一つとして、多くの人々が訪れます。また、観音院は、地域の人々の信仰の中心として、今日に至るまで重要な役割を果たしています。

参考文献

『信州の文化シリーズ 寺と神社』1981年 信濃毎日新聞社
『探訪 信州の古寺 天台宗・真言宗』1996年 郷土出版社

関連項目

小坂城 (岡谷市)
湊村
岡谷市の名所・旧跡・観光スポット
岡谷市の歴史

外部リンク

* 岡谷市役所（商業観光課）ホームページ「由布姫のふるさと　小坂観音院（龍光山観音院）」

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