角令央奈

角令央奈（すみ れおな）は、1987年4月20日に兵庫県加東市で生まれた、自転車競技選手であり競輪選手です。日本競輪学校第98期生としてプロの道を歩み始め、現在は日本競輪選手会福岡支部に所属し、久留米競輪場をホームバンクとしています。

自転車競技における彼の輝かしいキャリアは、高校時代に始まります。日生学園第三高等学校（現在の自由ヶ丘高等学校）在学中からその才能を開花させました。2年生の時、国民体育大会の少年・個人ロードレースで見事優勝を果たし、これが彼にとって全国規模の大会での初めてのタイトル獲得となりました。翌年、高校3年生として出場したインターハイでは、トラックレースの3キロ個人追い抜き競走において、3分31秒108という驚異的なタイムをマークし、当時の高校日本記録を樹立しました。さらに、この年の国体少年・ポイントレースでも頂点に立ち、高校在学中に複数の全国タイトルを獲得する実績を残しました。

鹿屋体育大学へ進学後も、角令央奈選手の勢いは止まりませんでした。大学時代には、国体の成年・ポイントレースで2006年から2008年にかけて3連覇という偉業を達成しました。高校時代のロードレース優勝と合わせたポイントレースでの4年連続優勝という快挙により、国体では驚異的な5年連続優勝という記録を打ち立てました。

国際舞台でも経験を積みました。2006年にはアジア競技大会に出場し、ポイントレースで8位、団体追い抜きで4位と健闘しました。2008年にはトラックレース世界選手権のオムニアムに出場し17位となりました。特に彼のキャリアの中で特筆すべきは、2008年4月に奈良で開催された第28回アジア自転車競技選手権大会です。トラックレースのスクラッチ種目において、前年の世界選手権覇者であり、世界のトップ選手であった香港のワン・カンポ選手を打ち破り、見事優勝を飾りました。この権威ある大会での優勝により、翌2009年3月にポーランドで開催される世界選手権への出場権を獲得しましたが、日本の競輪学校への入学を控えていたため、この国際的なビッグイベントへの出場を辞退するという大きな決断を下しました。

トラックレースでの圧倒的な実績が目立ちますが、彼はロードレースにおいても優れた才能を発揮しました。高校時代の国体優勝に加え、大学時代の2007年にはツール・ド・北海道のアンダー23（U23）部門で総合時間賞を獲得。さらに、2008年夏のインカレロードでも優勝するなど、ロードレースでも輝かしい成績を残しています。また、2010年4月からは、実業団登録チームである「鹿屋体育大学BLUE SKY」に所属し、活動の幅を広げました。

自転車競技で確固たる実績と経験を積んだ後、プロ競輪選手への転身を決意しました。2009年5月、彼は日本競輪学校に第98期生として入学しました。在校中は76戦15勝を挙げ、17位の成績で翌2010年3月26日に卒業しました。同年5月1日付で晴れて競輪選手として登録され、プロとしてのキャリアをスタートさせました。デビュー戦は同年7月15日、名古屋競輪場でのレースでした。この記念すべきデビュー戦で、彼は見事な走りで勝利を挙げ、プロの舞台で幸先の良いスタートを切りました。当初は兵庫支部に所属していましたが、2023年2月9日付けで日本競輪選手会福岡支部へ移籍し、現在も競輪選手として活躍を続けています。

自転車競技で培った高い技術と経験を武器に、競輪の世界でもその実力を発揮し続けるトップアスリートの一人です。

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