角倉邦彦

角倉邦彦

角倉邦彦（すみのくら くにひこ、1890年6月19日 - 1981年12月18日）は、日本の医化学者であり、農学博士です。専門は有機微量分析であり、蛋白質研究の権威として知られています。

経歴

東京出身の角倉邦彦は、1915年に東北帝国大学農科大学（現在の北海道大学）農芸化学科を卒業しました。同年、東北帝国大学農科大学の助手となり、研究者の道を歩み始めます。その後、鳥取高等農業学校農芸化学科教授、東京農業大学予科専任講師、東京農業大学予科教授を経て、1925年には東京農業大学農学部専任講師に就任しました。

1927年、角倉は再び鳥取高等農業学校教授となります。1929年5月には、「日本産漆の酸化酵素ラクセーゼに就て」と題した論文で北海道帝国大学から農学博士の学位を授与されました。1942年には鳥取高等農林学校教授となり、1944年から1949年まで鳥取農林専門学校の3代校長を務めました。

1949年、鳥取大学農学部教授に就任。1956年に鳥取大学名誉教授となると、共立女子大学家政学部教授、1961年には山脇学園短期大学家政科教授を歴任し、1966年に山脇学園短期大学を退職しました。

研究者としての活動以外に、角倉は登山家としても知られています。1914年には、東北帝国大学農科大学（現・北海道大学）山岳部パーティーと共に冬季富士山の初登頂に成功しています。

家系・家族

角倉邦彦は、豪商・角倉了以の子孫である角倉賀道を父に持ちます。娘の文子は千住鎮雄と結婚し、千住博、千住明、千住真理子といった著名な芸術家を育て上げました。このことからも、角倉家の文化的背景と、角倉邦彦自身が育まれた環境が窺えます。

著書

角倉邦彦は、研究活動の傍ら、分析化学に関する著作も発表しています。

『分析化学総論　上・下巻』（義賢堂、1934年初版/1940-1941年再訂版）
『分析化学』（実業教科書、1947年）

これらの著書は、当時の分析化学の研究と教育に貢献しました。

外部リンク

* 日本における有機微量分析のルーツ

角倉邦彦は、医化学者、教育者として多岐にわたる分野で活躍し、日本の学術研究の発展に貢献した人物です。彼の功績は、今もなお、多くの研究者や学生に影響を与え続けています。

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