角梨枝子

角 梨枝子（すみ りえこ）について

角 梨枝子は1928年3月7日に広島県広島市で誕生しました。本名は角 泰枝（すみ やすえ）で、彼女の父は広島文理科大学の数学教授でした。若い頃、彼女は広島第一高女（現在の広島皆実高校）に通い、1945年には神戸女学院音楽部に進学しました。しかし、その年の8月に広島の原爆に被爆し、学業は中断を余儀なくされました。

その後、1947年に大阪音楽大学に入学し、1948年には初代・ミスヒロシマに選ばれる栄誉を得ました。このことがきっかけで、彼女は映画界からのスカウトを受け、東宝への入社を果たします。彼女のデビュー作は豊田四郎監督の作品『エデンの海』でしたが、東宝争議によって映画は製作中止となりました。

角梨枝子は同郷の女優、杉村春子と親しく、演技力を養うために文学座の研究生として1年間学びました。1949年には、千秋実の薔薇座に加わり、同年の再演で『エデンの海』が舞台化されると、角はその主演を務め続けました。彼女は藤本真澄が設立した藤本プロの初の専属女優として迎えられ、映画『妻と女記者』で正式にデビューを飾ります。彼女は日本人離れしたスタイルとエキゾチックな美しさで多くの注目を集め、一躍主演女優としての地位を確立しました。

1951年には松竹に移り、『恋文裁判』の主演を努めて以降、数多くの作品に出演します。1953年には松竹第二回のカラー[[映画]]『夏子の冒険』に主演し、興行的にも成功を収め、高い人気を得ることとなりました。さらに1954年には、東宝の『山の音』に出演し、同年には名作『放浪記』に主演、こちらも非常に重要な作品となります。この作品は彼女のキャリアの一つの代表作と位置づけられています。

その後、1956年に大映に移籍した角は、脇役に回ることも増えましたが、1960年代半ばまで精力的に活動を続けました。その中で、1962年に吉村公三郎の映画『その夜は忘れない』に出演し、広島の原爆を題材とした重要な役割を果たしました。1965年にはフリーとなり、著名なテレビドラマ『ザ・ガードマン』や『キイハンター』などに出演しましたが、次第に仕事が減り、最終的には女優業を引退しました。

私生活では、若原雅夫との恋愛が注目され、伊豆の今井ヶ浜でのバカンスも語り継がれています。その後、実業家と結婚し、穏やかな日々を送ることとなりました。

角梨枝子は2005年10月12日、心不全により東京都目黒区内の病院でその生涯を閉じました。享年77歳での訃報は多くのファンや関係者に衝撃を与えました。彼女の残した作品群は、今なお日本の映画史において重要な位置を占めています。

主な作品

角梨枝子は、映画『妻と女記者』や『夏子の冒険』、テレビドラマ『ザ・ガードマン』を始めとする数多くの作品で見られ、その多才さと魅力で昭和の映画界に名を残しました。

もう一度検索