記念碑台

六甲山の開発とグルームの功績をしのぶ、記念碑台

兵庫県神戸市灘区六甲山にある記念碑台は、六甲山開発の父と呼ばれるイギリス人、アーサー・ヘスケス・グルームの功績をたたえる場所です。標高795.6mの高台に位置し、サンセットドライブウェイ、サンライズドライブウェイ、裏六甲ドライブウェイといった主要道路が交わる要衝となっています。

パノラマ絶景と豊かな自然

記念碑台からは、六甲連山の中でも特に視界が広く、六甲山系の雄大な景色を360度見渡せます。眼下に広がる神戸市街地や大阪湾、遠くには淡路島まで望むことができ、まさに絶景ポイントと言えるでしょう。

特に、冬は霧氷が美しいことで知られています。幻想的な風景は、多くの観光客を魅了し、冬のハイキングの目的地として人気があります。真冬でも売店が開いているため、軽食や休憩にも便利です。

グルームと六甲山の歴史

アーサー・ヘスケス・グルームは、グラバー商会に勤務していたイギリス人実業家でした。私財を投じて六甲山への植林や登山道の整備を行い、砂防や植林の必要性を当時の兵庫県知事である服部一三らに訴えかけました。その功績から「六甲山村長」と呼ばれるほど、地元住民からも敬愛されていました。

彼の偉業を称え、1912年（明治45年）に「六甲開祖之碑」が建立されました。しかし、第二次世界大戦中の1942年（昭和17年）に、敵国人であるという理由で取り壊されてしまいました。

その後、1955年（昭和30年）に、関係団体や関係者の尽力により、楯型の「六甲山の碑」として再建され、同時にグルームの胸像も建立されました。この再建された碑には、当時の兵庫県知事である阪本勝氏による碑文が刻まれています。

2006年には神戸市によって6月5日が「六甲の日」と制定され、翌2007年からは毎年6月5日に最も近い日曜日、「グルーム祭」として山開きが行われています。この祭りは、夏山の安全を祈願するもので、六甲山とグルームの深い関わりを感じさせる行事となっています。

周辺環境

記念碑台周辺には、多くの施設があります。阪急バス六甲線、六甲摩耶スカイシャトルバスの「記念碑台」停留所が最寄りのアクセス拠点です。また、兵庫県立六甲山自然保護センターや記念碑台遊園地も近くにあります。

グルーム自身によって開発された日本最初のゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部もこの近くに位置しています。その他、神戸市立六甲山小学校、六甲山郵便局、電話局、テニスコート、そして多くの池（宝池、つけ池、九鬼池、空池、アマ池、瓢箪池、バンガロー池、片野池、住友池、だんごの奥池）や六甲山ホテルなど、様々な施設が周辺に点在しています。

記念碑台は、自然と歴史が織りなす魅力あふれる場所です。六甲山を訪れた際は、ぜひ足を運んで、美しい景色とグルームの偉業に思いを馳せてみてください。

参考文献

六甲・摩耶・有馬 (山と高原地図 (51)) （赤松滋、昭文社） ISBN 978-4398750518
兵庫県大百科事典・下巻（神戸新聞出版センター）

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