診療放射線技師国家試験

診療放射線技師国家試験について

診療放射線技師国家試験は、日本の国家資格である診療放射線技師の免許を取得するための試験です。この試験は、診療放射線技師法第18条に基づいて実施され、厚生労働省医政局がその運営を監修しています。

受験資格

受験資格は以下のいずれかを満たす必要があります。

1. 大学または養成所での修了: 学校教育法に基づく大学入学資格を持つ者で、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した診療放射線技師養成所において、3年以上必要な知識と技能を修得した者（修了見込みの者を含む）。
2. 海外での資格取得者: 外国の診療放射線技術に関する学校または養成所を卒業し、または外国で日本の診療放射線技師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が上記1と同等以上の学力と技能を持つと認めた者。
3. 旧法による資格: 昭和58年改正法の施行時に、診療エックス線技師または診療エックス線技師試験の受験資格があった者で、旧法に基づき文部大臣または厚生大臣が指定した学校や養成所で1年以上必要な知識と技能を修得した者（修得中の者も含む）。

試験日程と試験地

試験は例年2月下旬の木曜日に行われ、合格発表は3月下旬です。

試験地は、北海道、宮城県、東京、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県で実施されます。

試験科目

試験科目は以下の14科目で構成されています。

1. 放射化学: 放射線を発生する物質の特性や定量法、取り扱い。
2. 診療画像機器学: X線装置、CT、MRI、超音波などの画像機器の原理。
3. 診療画像検査学: 解剖学、MRI、超音波検査法、画像診断。
4. 核医学検査技術学: 放射性医薬品、核医学検査装置、検査法。
5. 放射線治療技術学: 治療適応疾患、治療装置、外部照射、線量測定。
6. 医用画像情報学: 放射線フィルム、デジタル画像、画像処理。
7. 基礎医学大要: 解剖学、生理学、病理学などの基礎医学。
8. 放射線生物学: 放射線の細胞・人体への影響、放射線障害。
9. 放射線物理学: 原子物理、放射線の種類と特性。
10. 医用工学: 放射線機器の回路の基礎となる電気・電子工学。
11. 放射線計測学: 放射線の測定法、測定機器の原理。
12. エックス線撮影技術学: X線撮影、CT、血管撮影法、画像診断。
13. 画像工学: 撮影画像の解析法、画像評価。
14. 放射線安全管理学: 放射線障害、法令、被曝対策。

試験時間と形式

試験は午前と午後に分かれており、各科目から合計200問が出題されます。2013年までは午前と午後で出題科目が分かれていましたが、2014年以降はすべての科目が午前午後両方で出題される形式に変更されました。試験時間は午前が約3時間、午後が約3時間です。

試験日の詳細

2017年の試験では、午前8時45分集合、午前9時説明開始、午前9時30分から12時5分まで午前の試験、昼休憩を挟み、午後12時55分から説明開始、午後1時25分から午後4時まで午後の試験が行われました。

試験中の持ち物と注意事項

持ち物は受験票、HB鉛筆、消しゴム、黒ボールペンです。試験中は無地のマスクと定規が使用できます。携帯電話や電卓、シャープペンシルなどの電子機器は使用できません。

答案用紙は2種類あり、どちらか1種類が配布されます。試験中は、携帯電話などの電子機器の電源を切り、試験官から渡された封筒に入れ、机上に置く必要があります。

合格基準と合格率

合格基準は試験後に発表されますが、一般的に6割以上の得点が必要で、0点の科目が2つ以上ある場合は不合格となります。近年の合格率は新卒者が高く、既卒者は低くなる傾向があります。

近年の合格率

新卒者の合格率：約90％程度
既卒者の合格率：約30％程度

免除科目

旧法の診療エックス線技師試験または特例試験に合格した者は、以下の科目が免除されます。

基礎医学大要
放射線生物学（放射線衛生学を含む）
放射線物理学
医用工学
放射線計測学
エックス線撮影技術学
画像工学
放射線安全管理学

その他

試験に関する詳細は、厚生労働省の公式サイトで確認できます。

診療放射線技師国家試験