読売ジャイアンツ事件一覧

読売ジャイアンツは、その長い歴史の中で数々の事件や不祥事を経験してきました。この一覧では、過去に読売ジャイアンツで発生した主な事件や騒動、また、他球団ファンによって引き起こされた事件について詳細に解説します。

主な事件・不祥事

1948年：別所引き抜き事件

南海ホークス（当時）のエースであった別所毅彦投手が、待遇への不満から読売ジャイアンツへの移籍を希望したことに端を発する騒動です。日本野球連盟の裁定により別所の巨人移籍は実現しましたが、巨人は制裁金10万円、別所は開幕から2ヶ月間の出場停止処分を受けました。

1949年：三原ポカリ事件・三原監督排斥運動

三原脩監督が対戦相手チームの選手を殴打した事件です。これにより、三原監督は100日間の出場停止処分を受けました。また、同年にはシベリア抑留から帰還した水原茂への扱いに不満を持った多くの選手たちが、三原監督の排斥を求める運動を起こしました。結果として、翌年から三原は総監督に異動し、水原が選手兼任監督に就任しました（幻の連判状事件）。

1957年：人事院騒動

日本シリーズで西鉄ライオンズに連敗したことを受け、球団社長の品川主計がコーチ陣の一新を画策し、谷口五郎・藤本英雄両コーチの更迭を打ち出しました。これに対し、水原茂監督が辞任を表明。オーナーの正力松太郎との会談で慰留され辞任を撤回しましたが、品川が記者団の前で水原を詰る事態に発展しました（謝れ事件）。

1973年：湯口事件

湯口敏彦投手の急死をきっかけに、川上哲治監督（当時）と球団へのバッシングが起こった騒動です。

1978年：江川事件

当時の野球協約の盲点をついた巨人が、ドラフト会議の前日に江川卓投手と電撃契約したことで発覚した騒動です。通称「空白の一日」と呼ばれています。

1985年：定岡正二 投手のトレード拒否・KKドラフト事件

定岡正二投手が近鉄へのトレード移籍を拒否し、29歳で現役を引退しました。また、同年のドラフト会議では、PL学園高等学校の桑田真澄と清原和博を巡り、大きな騒動となりました。

1990年：桑田真澄 投手の登板日漏洩疑惑

桑田真澄投手の専属契約を結んでいたスポーツ用具メーカーを解雇された人物が、桑田が自身の登板日を知人に漏らしていたことを暴露本で明らかにしました。これにより、桑田が野球賭博に関与しているのではないかとの憶測を招きましたが、和解により野球賭博への関与は否定されました。

1998年：バルビーノ・ガルベス 投手の審判に対する暴力行為

バルビーノ・ガルベス投手が、試合中に審判の判定に不満を持ち、審判団にボールを投げつけました。さらに、乱闘を起こし、止めに入ったチームメイトを負傷させたとして、シーズン残りの出場停止処分を受けました。また、同日には武上四郎打撃コーチも暴力行為で退場処分を受けています。

2000年：杉山直輝捕手の強制わいせつ致傷事件

杉山直輝捕手が、スナックで女性に暴行を加えたとして逮捕され、解雇されました。

2003年：小久保裕紀 内野手の無償トレード

福岡ダイエーホークス（当時）の主力選手であった小久保裕紀内野手が、異例の無償トレードで読売ジャイアンツへ移籍しました。小久保は、ダイエー球団との確執が原因であったと語っています。

2004年：一場事件

ドラフト候補の一場靖弘投手（当時明治大学）に対し、日本学生野球憲章に抵触する裏金を提供していたことが発覚した事件です。この事件は球界全体に波及し、球団幹部の解任やオーナーの辞任に繋がりました。

2011年：清武の乱

ヘッドコーチ人事を巡り、清武英利球団代表が渡邉恒雄取締役会長を不当な人事介入を行ったと告発した騒動です。清武球団代表は解任されました。

2012年：入団契約金超過問題

球界で申し合わせた新人契約金の最高標準額を超える契約を、上限額が設定される以前に多数の選手と結んでいたことが報道されました。ただし、これはルール違反にはあたりません。

2015年-2016年：野球賭博事件

複数の選手が野球賭博に関与していたことが発覚し、解雇や無期失格処分が下されました。球団にも制裁金が科せられ、球団社長が引責辞任しました。高木京介投手も野球賭博に関与していたことが発覚し、1年間の失格処分を受けました。

2017年：山口俊 投手傷害事件

山口俊投手が、酔って警備員に暴行を加え、病院の扉を破壊した疑いで送検されました。球団は山口にシーズン終了までの出場停止処分を下しました。

2018年：SNSわいせつ動画流出事件・選手による窃盗・転売行為

河野元貴、篠原慎平両選手がSNSでわいせつ動画を撮影し、流出させた事件が起きました。また、柿澤貴裕選手がチームメイトの野球用具を盗み売却していたことが発覚し、解雇されました。

2020年：北村拓己 内野手による挑発行為

試合前の円陣で、北村拓己内野手が相手チームの先発投手を揶揄する発言をし、その動画が球団公式Twitterに投稿されたことが問題となりました。

2021年：中田翔選手の電撃トレード

北海道日本ハムファイターズで暴力問題を起こし、無期限謹慎処分を受けていた中田翔選手が、処分からわずか9日で巨人にトレード移籍したことに対し、批判が殺到しました。

他球団ファンが起こした事件

1956年：木戸美摸 投手負傷事件

対広島戦で、広島ファンが投げ込んだビール瓶により、木戸美摸投手が負傷した事件です。この事件がきっかけとなり、球場での飲料物の販売が紙コップに限定されるようになりました。

1973年：甲子園球場阪神ファン乱入乱闘事件

巨人がセ・リーグ9連覇を達成した直後、激昂した阪神ファンがグラウンドに乱入し、巨人選手や放送席を襲撃した事件です。王貞治選手が下駄で顔を殴られたとも言われています。

広島市民球場（当時）忍者事件

試合中に、ファンが本塁側のフェンスをよじ登り、巨人への抗議を込めた垂れ幕を掲げた事件です。

2009年：マツダスタジアムでの乱入事件

マツダスタジアムで、ファンがグラウンド整備中にバックネットによじ登る事件が起きました。

2011年頃からの替え歌問題

ビジターチームのファンが、巨人のホームゲームで7回裏に流れる球団歌に合わせて、巨人を誹謗中傷する替え歌を合唱する事象が発生しました。この替え歌は他球団にも広まり、問題視されています。

その他

一部の私設応援団による暴行・トラブルなど
1982年に愛知県名古屋市の小学校で起こった、巨人ファン教師による信念教育事件

読売ジャイアンツは、これらの事件や不祥事を通じて、組織としての在り方やファンとの関係について、常に問い続けられています。これらの歴史から学び、今後の球団運営に活かしていくことが求められます。

脚注

[1] 朝日新聞の記事へのリンク
[2] 中日、阪神の公式Twitterへのリンク

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