調査書 (進学と就職)

調査書（内申書）とは

調査書とは、進学や就職の際に、学校が学生の学習活動や学校生活について記述した書類のことです。一般的に「内申書」とも呼ばれ、選考の重要な資料として扱われます。

調査書の概要

調査書は、入学試験などで受験生を評価する際の判断材料となります。各教科の成績（評定）だけでなく、特別活動の記録、出欠状況、総合所見などが記載され、これらの情報が点数化されて合否に影響を与えることがあります。この点数化されたものを「内申点」と呼ぶことがあります。

調査書と似た書類として、指導要録や通知表がありますが、それぞれ目的や性質が異なります。通知表は本人や保護者へ学校から通知されるものであり、指導要録は学校が保管する生徒の記録です。指導要録は転校時に転送されますが、調査書とは別の扱いとなります。

各学校段階における調査書

小学校

多くの公立中学校では入学試験がないため、小学校が作成する調査書は、試験を実施する一部の中学校や中等教育学校への提出に限られます。近年では、通知表の写しで代替できるケースが増えており、調査書の重要性は低下傾向にあります。

中学校

一般的に「内申書」と呼ばれるのは、中学校が作成する調査書を指すことが多いです。以前は生徒や保護者に開示されない秘密文書でしたが、現在では開示されることが一般的になり、記載内容の確認や修正を求めることができます。高等学校の受験では、ほぼ必須の書類であり、各教科の評定、特別活動の記録、出欠状況、総合所見、資格などが詳細に記載されます。これらの情報は、高等学校によって点数化され、合否判定の重要な要素となります。

調査書は指導要録に基づいて作成されますが、指導要録の保存期間は5年であるため、卒業後5年を経過すると発行が難しくなる場合があります。調査書の様式や記載内容は都道府県ごとに定められていることが多く、評価方法や総合所見の記入方法などが統一されています。学力検査と調査書点の比重は、各学校によって異なります。

高等学校

大学受験の際に必要となることが多いですが、その扱いは学校や学部・学科、入試形態によって様々です。推薦入試では特に、評定や特別活動の記録が重視されます。高等学校の調査書も、中学校と同様に卒業後5年を経過すると発行が難しくなることが多いため、早めに確認することが大切です。発行が難しい場合は、卒業証明書と「調査書及び成績証明書発行不能証明書」で代替できる場合があります。

大学

大学院への入学時に、調査書が求められることがあります。

調査書に関する注意点

過去には、調査書が教職員による過度な指導や脅迫的な指導に使われる事例がありました。また、調査書の誤記や改ざんによって、合否が左右されたり、奨学金が受けられなくなったりするトラブルも発生しています。調査書の取り扱いには、十分な注意が必要です。

調査書は厳封された状態で送付されることが多く、生徒や保護者が開封すると無効になる場合があります。再発行は可能ですが、手続きには時間がかかることを考慮しましょう。

関連項目

定期考査
通知表
絶対評価 - 相対評価
入学試験
中学受験 - 高校受験 - 大学受験 - 大学院受験
小学校 - 中学校 - 高等学校 - 大学 - 大学院
* 過年度生

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