諏訪部浩一

諏訪部浩一のプロフィール

基本情報

諏訪部浩一（すわべ こういち）、1970年に東京都に生まれた日本のアメリカ文学研究者は、東京大学大学院人文社会系研究科文学部の准教授として活動しています。

学歴とキャリア

彼は1994年に上智大学文学部英文学科を卒業後、東京大学大学院に進学し、2002年には博士課程を中退しましたが、その後2004年にニューヨーク州立大学バッファロー校で博士課程を修了し、Ph.Dを取得しました。安定したキャリアを築きつつ、2004年から東京学芸大学で講師として教鞭を執り、その後助教授、准教授に昇進しました。2007年には東京大学大学院に移り、現在に至るまで同大学で教育と研究を行っています。特に、彼は英米文学に関する専門知識を駆使し、アメリカ文学研究の発展に貢献してきました。

受賞歴

彼の研究成果は高く評価されており、2009年には著書『ウィリアム・フォークナーの詩学 1930-1936』がアメリカ学会の清水博賞を受賞しました。また、2013年には『マルタの鷹』講義で日本推理作家協会賞評論部門を受賞しています。これらの業績から、彼は研究者としての地位を確立しました。

著作活動

諏訪部氏の著書は多岐にわたります。個人著作としては、以下のようなものがあります。

• - 『ウィリアム・フォークナーの詩学 1930-1936』（松柏社、2008年）
• - 『マルタの鷹』講義（研究社、2012年）
• - 『ノワール文学講義』（研究社、2014年）
• - 『アメリカ小説をさがして』（松柏社、2017年）
• - 『カート・ヴォネガット　トラウマの詩学』（三修社、2019年）
• - 『チャンドラー講義』（講談社、2024年）

また、多くの共著や翻訳書も手がけており、英米文学に深い造詣をもっていることが伺えます。彼の翻訳作品にはフォークナーの『八月の光』や『土にまみれた旗』などが含まれています。

将棋との関わり

諏訪部氏は少年時代に将棋棋士を目指し、日本将棋連盟のプロ養成機関「奨励会」に在籍していました。彼の同門には名棋士たちが名を連ねていますが、18歳で奨励会を退会。その後は学問の世界に進むことになります。将棋が与えた影響について彼は、自身の人生を振り返りながら、将棋を通じて得た経験が研究のモチベーションとなったことを語っています。特に、結果が出なかったときに自分自身を省みる姿勢は、彼の学問に対する姿勢にも色濃く反映されています。

結論

諏訪部浩一は、アメリカ文学研究に優れた業績を残し、将棋の経験がその研究活動に独特の視点を与えている点でも注目される学者です。彼の研究と著作は、アメリカ文学の理解を深める重要な資料となっており、今後の活動にも大いに期待が寄せられています。

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