諫早茂成

諫早茂成（いさはや しげなり）

諫早茂成は、江戸時代中期に活躍した佐賀藩の武士であり、諫早鍋島家の10代目当主です。彼は、龍造寺隆信の又従兄弟である家晴の子孫にあたり、藩主である鍋島氏の旧主君である龍造寺氏の一族でした。しかし、鍋島氏に憚って諫早氏を名乗りました。

出自と家格

諫早家は、龍造寺氏の一族として、佐賀藩内で大名に匹敵する二万六千石の知行を持ち、強い影響力を持っていました。家紋は「上り藤」を使用し、代々藩主から「茂」の字を賜る慣例がありました。藩内での家格は、親類同格として扱われました。これは、龍造寺氏がかつて佐賀を支配していた名門であり、その血筋を引く諫早家が、藩内において特別な地位を占めていたことを示しています。

生涯

寛保2年（1743年）12月13日、諫早家8代目当主である諫早茂行の子として生まれました。正室には、鍋島直員の娘である美濃を迎えています。宝暦3年（1753年）8月に兄の行孝が亡くなったため、同年9月27日に家督を相続し、諫早家の10代目当主となりました。

宝暦10年（1760年）9月には、父である茂行が藩主である鍋島宗教の廃立を企てたとして処罰され、蟄居を命じられました。しかし、宝暦12年（1762年）には、藩主の鍋島重茂に従い江戸に参勤し、江戸で勤務するようになりました。明和2年（1765年）には、藩の重要な役職である請役家老に就任し、藩政に深く関わるようになりました。明和4年（1767年）には、藩に没収されていた知行のうち、一万石（地米四千石）が返還されました。

しかし、明和6年（1769年）3月20日、28歳という若さで亡くなりました。菩提寺である天祐寺に葬られています。彼の短い生涯は、藩内の権力闘争や藩政の変遷と深く関わっていました。

参考文献

長崎県史: 藩政編
小城藩日記データベース

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