谷上車庫

谷上車庫とは

谷上車庫（たにがみしゃこ）は、兵庫県神戸市北区山田町下谷上にある、神戸市営地下鉄の車両基地です。神戸電鉄および北神急行線（現：神戸市営地下鉄北神線）の谷上駅から西へおよそ500メートルの場所に位置しています。ここでは、列車の留置のほか、車両の点検や整備、洗浄といった日常的なメンテナンス作業が行われ、神戸市営地下鉄の安定運行を支える重要な役割を担っています。

概要

この車両基地は、もともと北神急行電鉄が所有・運営していましたが、2020年6月1日に同社の北神線が神戸市に市営化されたことに伴い、神戸市交通局の施設となりました。

敷地全体の面積は34,310平方メートルに及び、これは阪神甲子園球場の約3分の2に相当する広さです。そのうち線路が占める有効面積は15,300平方メートルです。車両の車輪を削正するなど、より大規模で専門的な装置を必要とする作業は、名谷車両基地で行われるなど、他の基地との連携も見られます。

特筆すべき点として、かつて阪急西宮北口駅に存在した珍しいダイヤモンドクロスのレールの一部が、この谷上車庫に保存されています。これらの歴史あるレールは、実際に基地内で重機などを移動させる際の台車に活用されており、鉄道の日といったイベント時には一般公開される機会もあります。

構内構造

谷上車庫の構内は、機能ごとに効率的に配置されています。南側には、列車が運行を終えた後に停車する留置線が5本並んでいます。その北側には洗車線があり、車両を自動で洗浄するための洗車機や、作業員が手作業で仕上げを行うための洗車台が設置されています。洗車線のさらに北側には、車両の点検を行う検車線が設けられており、車両の搬入もここから行われます。その一角には、線路の保守作業に使われる保線車両を留めておくための保線車留置線もあります。

検車線の北東には、3階建ての事務所棟があります。これはかつて北神急行電鉄の本社ビルとして使用されていた建物です。車庫の最も北側には、2階建ての検車施設があります。施設内にはピット線が2本あり、車両の下部構造などを詳細に点検する際に使用されます。日常的に行われる検車の大部分は、この施設内で行われています。

構内の西側には、職員などが利用する駐車場があります。この駐車場から検車施設の北側を通り下っていく場所に、車庫への出入り口となるゲートが設けられています。

車庫から本線へ列車が出庫するための線路は、車庫の東端にあります。出庫線は一度、北神トンネル内に入り、約300メートル走行した後、地上に出るという独特の構造を持っています。

所属車両

現有車両

• - 6000形

過去の車両

• - 7000系

周辺施設

谷上駅
神戸市立谷上小学校
神戸市立山田中学校
神戸市消防局北消防署山田出張所
有馬街道

歴史

谷上車庫の建設から市営化、そして将来の予定まで、主な出来事は以下の通りです。

1983年3月10日：着工。
1987年6月8日：最初の編成（第1編成）が搬入される。
1987年10月8日：北神線の試運転が開始される。
1988年3月3日：北神線の工事が竣工。
1988年4月2日：北神線が開業。
2020年6月1日：北神線の市営化に伴い、神戸市営地下鉄の車両基地となる。
2023年8月18日：ダイヤ改正に伴い、一時的に車両の使用が休止される期間があった。
* 2025年3月15日：神戸市営地下鉄の西神車庫と統合され、谷上車庫としての使用が終了する予定。これと同時に西神車庫も廃止される予定である。

谷上車庫は、北神急行時代から長きにわたり神戸の地下鉄ネットワークを支えてきましたが、将来的な再編計画により、その役割を終えることとなっています。

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