谷口義明
谷口 義明（たにぐち よしあき）は、1954年12月23日生まれの日本の天文学者です。銀河天文学を専門分野とし、現在は愛媛大学名誉教授、放送大学特任教授の地位にあります。理学博士の学位を取得しています。
谷口氏は北海道旭川市に生まれ、高校を卒業するまでその地で過ごしました。少年時代は昆虫に強い興味を持っていましたが、中学生の時に雑誌「天文ガイド」と出会い、天文学の世界に関心を移しました。
大学は東北大学理学部天文・地球物理学科で学び、卒業後、同大学院理学研究科の天文学専攻に進み、博士課程を修了しました。
大学院修了後、1987年に東京大学東京天文台の助手に就任。翌年には東京大学理学部天文学教育研究センターの助手に移ります。1991年には東北大学理学部天文学教室で助教授となり、研究・教育に携わりました。
2006年4月1日、愛媛大学大学院理工学研究科数理物質科学専攻の教授に就任。さらに2007年11月からは、愛媛大学宇宙進化研究センターの宇宙大規模構造進化研究部門教授と、同センター長を兼任し、センターの研究活動を牽引しました。その後、2016年4月に放送大学の教授に就任しています。
谷口氏は、銀河天文学の分野で数多くの重要な業績を上げています。
超新星の発見: 東京大学木曽観測所に勤務していた1988年1月20日には、おとめ座の銀河NGC 4772に出現したII型超新星「SN 1988E」を発見しました。これは、超新星研究における重要な貢献の一つです。
初期銀河の発見: 1997年には、宇宙の遥か彼方にある、まさに誕生したばかりの若い銀河を発見するという快挙を成し遂げました。これにより、宇宙初期の銀河形成に関する理解が進みました。
電波銀河の観測: 1999年には、電波銀河から噴出するジェット流の根元近くで起こっている粒子加速の現象を捉えることに成功しました。活動銀河核からの高エネルギー粒子の噴出メカニズムに関する貴重な知見をもたらしました。
研究活動に加え、谷口氏は天文学の知識を広く一般に伝えるアウトリーチ活動にも非常に熱心に取り組んでいます。日本科学未来館のドームシアターガイアで上映された立体視プラネタリウム作品「バースデイ〜宇宙とわたしをつなぐもの〜」では監修を務めました。
また、旺盛な執筆活動も行っており、専門的な内容を分かりやすく解説した書籍を多数出版しています。天文学に関する様々なテーマで講演も行っており、その一部は動画で視聴することが可能です。
谷口氏の主な著書には以下のようなものがあります。
単著
『宇宙のはてで銀河にあいたい』（丸善 1992年）
『不思議な銀河の物語 - 銀河は例外を作らない』（裳華房 2000年）
『生れたての銀河を探して - ある天文学者の挑戦』（裳華房 2001年）
『銀河の育ち方』（地人書館 2002年）
『クェーサーの謎 - 宇宙でもっともミステリアスな天体』（講談社 2004年）
『暗黒宇宙の謎―宇宙をあやつる』（講談社 2005年）
『宇宙を読む カラー版』（中央公論新社 2006年）
『暗黒宇宙で銀河が生まれる』(SBクリエイティブ 2007年)
『モンスター銀河狩り』（エヌティティ出版 2008年）
『宇宙進化の謎 - 暗黒物質の正体に迫る』 (講談社 2011年)
『宇宙の一番星を探して 宇宙最初の星はいつどのように誕生したのか』（丸善出版 2011年）
『天文学者の日々』（創風社出版 2012年）
『宇宙のはじまりの星はどこにあるのか』（メディアファクトリー 2013年）
『マンガでわかる宇宙「超」入門』（SBクリエイティブ 2014年）
『谷口少年、天文学者になる: 銀河の揺り籠 ダークマター説を立証」（海鳴社 2015年）
『続 天文学者の日々』（創風社出版 2016年）
『銀河宇宙観測の最前線: 「ハッブル」と「すばる」の壮大なコラボ』（海鳴社 2017年）
『天の川が消える日』 (日本評論社 2018年)
『宇宙の誕生と進化』 (放送大学教育振興会 2019年)
『アンドロメダ銀河のうずまき: 銀河の形にみる宇宙の進化』（丸善出版 2019年）
『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』 (光文社 2019年）
『天文学者が解説する 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅』 (光文社 2020年)
『ついに見えたブラックホール: 地球サイズの望遠鏡がつかんだ謎』（丸善出版 2020年）
『小さなことにあくせくしなくなる天文学講座 生き方が変わる壮大な宇宙の話』 (PHP研究所 2021年)
『宇宙を動かしているものは何か』 (光文社 2022年)
『宇宙・０・無限大』 (光文社 2023年）
『暗い夜空のパラドックスから宇宙を見る』 （岩波書店 2023年）
『ゴッホは星空に何を見たか』 (光文社 2024年）
共著・編著・監修
『新しい宇宙の探究』（岩波書店 岩波新書 1990年） - 共著
『天文学への招待』（岡村定矩編 朝倉書店 2001年） - 共著
『銀河もウルトラをめざす - 赤外線銀河の謎に挑む』（塩谷泰広との共著 裳華房 2002年） - 共著
『天文の事典』（磯部琇三・佐藤勝彦・岡村定矩・辻隆・吉澤正則・渡邊鉄哉編 朝倉書店 2003年） - 共著
『巨大ブラックホールと宇宙」（谷口 義明・和田 桂一 丸善出版 2012年） - 共著
『新・天文学事典』（講談社 2013年） - 監修
『太陽と太陽系の科学』（放送大学教育振興会 2018） - 編著
* 『宇宙の誕生と進化』(放送大学教育振興会 2019） - 編著
生い立ちと学歴
谷口氏は北海道旭川市に生まれ、高校を卒業するまでその地で過ごしました。少年時代は昆虫に強い興味を持っていましたが、中学生の時に雑誌「天文ガイド」と出会い、天文学の世界に関心を移しました。
大学は東北大学理学部天文・地球物理学科で学び、卒業後、同大学院理学研究科の天文学専攻に進み、博士課程を修了しました。
職歴
大学院修了後、1987年に東京大学東京天文台の助手に就任。翌年には東京大学理学部天文学教育研究センターの助手に移ります。1991年には東北大学理学部天文学教室で助教授となり、研究・教育に携わりました。
2006年4月1日、愛媛大学大学院理工学研究科数理物質科学専攻の教授に就任。さらに2007年11月からは、愛媛大学宇宙進化研究センターの宇宙大規模構造進化研究部門教授と、同センター長を兼任し、センターの研究活動を牽引しました。その後、2016年4月に放送大学の教授に就任しています。
主な研究業績
谷口氏は、銀河天文学の分野で数多くの重要な業績を上げています。
超新星の発見: 東京大学木曽観測所に勤務していた1988年1月20日には、おとめ座の銀河NGC 4772に出現したII型超新星「SN 1988E」を発見しました。これは、超新星研究における重要な貢献の一つです。
初期銀河の発見: 1997年には、宇宙の遥か彼方にある、まさに誕生したばかりの若い銀河を発見するという快挙を成し遂げました。これにより、宇宙初期の銀河形成に関する理解が進みました。
電波銀河の観測: 1999年には、電波銀河から噴出するジェット流の根元近くで起こっている粒子加速の現象を捉えることに成功しました。活動銀河核からの高エネルギー粒子の噴出メカニズムに関する貴重な知見をもたらしました。
科学啓発と執筆活動
研究活動に加え、谷口氏は天文学の知識を広く一般に伝えるアウトリーチ活動にも非常に熱心に取り組んでいます。日本科学未来館のドームシアターガイアで上映された立体視プラネタリウム作品「バースデイ〜宇宙とわたしをつなぐもの〜」では監修を務めました。
また、旺盛な執筆活動も行っており、専門的な内容を分かりやすく解説した書籍を多数出版しています。天文学に関する様々なテーマで講演も行っており、その一部は動画で視聴することが可能です。
著書
谷口氏の主な著書には以下のようなものがあります。
単著
『宇宙のはてで銀河にあいたい』（丸善 1992年）
『不思議な銀河の物語 - 銀河は例外を作らない』（裳華房 2000年）
『生れたての銀河を探して - ある天文学者の挑戦』（裳華房 2001年）
『銀河の育ち方』（地人書館 2002年）
『クェーサーの謎 - 宇宙でもっともミステリアスな天体』（講談社 2004年）
『暗黒宇宙の謎―宇宙をあやつる』（講談社 2005年）
『宇宙を読む カラー版』（中央公論新社 2006年）
『暗黒宇宙で銀河が生まれる』(SBクリエイティブ 2007年)
『モンスター銀河狩り』（エヌティティ出版 2008年）
『宇宙進化の謎 - 暗黒物質の正体に迫る』 (講談社 2011年)
『宇宙の一番星を探して 宇宙最初の星はいつどのように誕生したのか』（丸善出版 2011年）
『天文学者の日々』（創風社出版 2012年）
『宇宙のはじまりの星はどこにあるのか』（メディアファクトリー 2013年）
『マンガでわかる宇宙「超」入門』（SBクリエイティブ 2014年）
『谷口少年、天文学者になる: 銀河の揺り籠 ダークマター説を立証」（海鳴社 2015年）
『続 天文学者の日々』（創風社出版 2016年）
『銀河宇宙観測の最前線: 「ハッブル」と「すばる」の壮大なコラボ』（海鳴社 2017年）
『天の川が消える日』 (日本評論社 2018年)
『宇宙の誕生と進化』 (放送大学教育振興会 2019年)
『アンドロメダ銀河のうずまき: 銀河の形にみる宇宙の進化』（丸善出版 2019年）
『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』 (光文社 2019年）
『天文学者が解説する 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅』 (光文社 2020年)
『ついに見えたブラックホール: 地球サイズの望遠鏡がつかんだ謎』（丸善出版 2020年）
『小さなことにあくせくしなくなる天文学講座 生き方が変わる壮大な宇宙の話』 (PHP研究所 2021年)
『宇宙を動かしているものは何か』 (光文社 2022年)
『宇宙・０・無限大』 (光文社 2023年）
『暗い夜空のパラドックスから宇宙を見る』 （岩波書店 2023年）
『ゴッホは星空に何を見たか』 (光文社 2024年）
共著・編著・監修
『新しい宇宙の探究』（岩波書店 岩波新書 1990年） - 共著
『天文学への招待』（岡村定矩編 朝倉書店 2001年） - 共著
『銀河もウルトラをめざす - 赤外線銀河の謎に挑む』（塩谷泰広との共著 裳華房 2002年） - 共著
『天文の事典』（磯部琇三・佐藤勝彦・岡村定矩・辻隆・吉澤正則・渡邊鉄哉編 朝倉書店 2003年） - 共著
『巨大ブラックホールと宇宙」（谷口 義明・和田 桂一 丸善出版 2012年） - 共著
『新・天文学事典』（講談社 2013年） - 監修
『太陽と太陽系の科学』（放送大学教育振興会 2018） - 編著
* 『宇宙の誕生と進化』(放送大学教育振興会 2019） - 編著
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