谷口行規

谷口行規：ゲーム、レーシング、そしてプロレス界を駆け抜けた異色の実業家

谷口行規氏は、1968年広島県広島市生まれの、実業家、レーサー、そしてゲームクリエイターという多彩な顔を持つ人物です。幼少期からゲームに親しみ、その情熱は高校時代にゲームソフト制作へと発展。在学中に広島のゲーム会社と契約を結び、その後アメリカに留学、帰国後は大阪府立大学工学部に進学しながら、コンパイル大阪開発室長を兼任するなど、並外れた行動力を見せています。

ゲームクリエイターとしての成功

大学3年生だった1993年、わずか24歳の若さでユークスを創業。大学卒業までに約20本のゲームを開発するなど、驚異的なペースで実績を積みました。卒業後は、PlayStationの3D表現に着目し、プロレスゲームの開発に着手。『新日本プロレスリング闘魂烈伝』(1995年)はシリーズ化され、累計100万本の大ヒットを記録しました。

その後、自社ブランドで開発した『封神領域エルツヴァーユ』は国内では不振でしたが、海外、特にアメリカでの高い評価を受けました。この成功を足掛かりに、アメリカ市場をターゲットとした『WWF SmackDown!』シリーズは、アメリカで200万本を超える大ヒットとなり、シリーズ累計では3000万本を超える売上を記録したと推測されています。日本でも『エキサイティングプロレス』として発売され人気を博しました。谷口氏はWWF（現WWE）の日本での普及にも貢献し、テレビ放送や日本興行の実現に尽力しています。2001年には、ユークスをナスダック・ジャパン（現ヘラクレス）に上場させました。

プロレス界への参入と撤退

2005年には、経営危機に陥っていた新日本プロレスの株式の51.5%を取得し、オーナーとなりました。東京スポーツやプロレス専門誌へのインタビューを通して、同社の再建への強い意志を示していましたが、2012年にはブシロードに全株式を売却し、プロレス界から撤退しています。

モータースポーツへの情熱

ゲーム業界での成功にとどまらず、谷口氏はモータースポーツにも情熱を注ぎました。「チームユークス」を結成し、全日本プロドリフト選手権に参戦。自身もレーサーとして活躍し、鈴鹿クラブマンレース優勝、スーパー耐久ST3シリーズチャンピオン獲得などの輝かしい実績を残しています。さらに、世界ツーリングカー選手権（WTCC）にも参戦し、2010年には日本人として初めてWTCCインディペンデントクラスで優勝、2011年には同クラスにフル参戦を果たしました。2018年にはブランパンGTシリーズ・アジアで優勝するなど、年齢を重ねてもなお、第一線で活躍し続けています。

まとめ

谷口行規氏は、ゲーム、プロレス、モータースポーツと、異なる分野で成功を収めた稀有な存在です。並外れた行動力と高いビジネスセンス、そして何事にも情熱を注ぎ込む姿勢が、彼の成功の鍵と言えるでしょう。これからも、彼の活躍から目が離せません。

もう一度検索