谷森真男

谷森真男（たにもり まさお）

1847年6月29日（弘化4年5月17日）に生まれ、1924年（大正13年）12月10日に没した谷森真男は、明治・大正期に官僚、政治家として活躍しました。官選香川県知事、元老院議官、貴族院勅選議員、錦鶏間祗候といった要職を歴任し、日本の近代化に貢献しました。

生い立ちと初期のキャリア

谷森真男は、江戸で谷森善臣の長男として誕生しました。慶応4年（1868年）2月22日（3月15日）に明治政府に出仕し、内国事務局筆生としてキャリアをスタートさせました。その後、行政官書記、少史、少外史、権少史、太政官少書記官、同権大書記官と、順調に昇進を重ねました。1880年5月には内閣権大書記官に就任し、その後も同大書記官、文書局兼務、内閣書記官などを歴任。主に辞令書の送達業務を担当しました。

元老院議官、香川県知事として

1890年6月10日、谷森真男は元老院議官に就任しました。元老院は、憲法制定や法律案の審議を行う重要な機関であり、谷森はその一員として活動しました。同年10月20日に元老院が廃止されると、非職となりました。1891年4月9日には、香川県知事に就任し、堅実な県政運営を行いました。1893年4月5日に知事を非職となり、同年6月13日に依願免本官となり退官しました。その後、1896年1月16日には、錦鶏間祗候を仰せ付けられました。

貴族院勅選議員としての活動

1898年8月18日、谷森真男は貴族院勅選議員に任じられ、その職を亡くなるまで務めました。貴族院は、衆議院と並ぶ議会の一院であり、谷森は、法律案の審議や国政に関する議論に積極的に参加しました。議員としての活動を通じて、近代日本の発展に貢献しました。

栄典

谷森真男は、その功績により、以下のような位階と勲章を授与されました。

位階
1874年（明治7年）2月18日 - 従六位
1890年（明治23年）6月19日 – 従四位
1893年（明治26年）6月20日 - 正四位

勲章等
1887年（明治20年）11月25日 - 勲四等旭日小綬章
1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
1890年（明治23年）12月26日- 勲三等瑞宝章
1916年（大正5年）4月1日 - 勲二等瑞宝章

まとめ

谷森真男は、明治・大正期という激動の時代に、官僚、政治家として、日本の近代化に大きく貢献しました。特に香川県知事としての堅実な県政運営や、元老院、貴族院での活動は、近代日本の法制度の基盤を築く上で重要な役割を果たしました。その生涯は、日本の歴史を語る上で欠かせないものと言えるでしょう。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。
大岡力『地方長官人物評』長島為一郎、1892年。
* 「谷森真男特旨叙位ノ件」 アジア歴史資料センター Ref.A11113403000

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