谷津龍太郎

谷津龍太郎について

谷津龍太郎（やつ りゅうたろう）は、1952年11月2日生まれの日本の環境官僚です。環境事務次官、中間貯蔵・環境安全事業株式会社代表取締役社長などを歴任し、日本の環境行政に多大な貢献をしました。

生い立ちと学歴

群馬県太田市で生まれた谷津氏は、群馬県立太田高等学校を卒業後、1976年3月に東北大学工学部土木工学科を卒業しました。その後、1999年3月には東北大学大学院工学研究科土木工学博士課程を修了し、工学博士の学位を取得しています。

環境官僚としてのキャリア

1976年4月に厚生省に入省した谷津氏は、環境庁大気保全局や厚生省水道整備課などを経て、環境問題に関するキャリアをスタートさせました。1993年には環境庁水質保全局企画課調査官、1995年には環境庁企画調整局環境計画課計画官を務めました。

1996年には国連大学高等研究所に派遣され、国際的な視野を広げました。その後、環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課調整官、環境庁地球環境部環境保全対策課地球温暖化対策推進室長などを歴任し、地球温暖化対策を含む環境問題に積極的に取り組みました。

2000年には兵庫県県民生活部参事、2002年には厚生労働省健康局水道課長を務めた後、2004年に環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課長に就任しました。その後も、大臣官房政策評価広報課長、大臣官房審議官（地球環境局担当）、大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長、大臣官房長、地球環境審議官といった要職を歴任し、環境行政の中枢を担いました。

環境事務次官とその後

2013年7月、谷津氏は環境事務次官に就任しました。環境省のプロパー職員としては初の技術系職員出身の事務次官となり、その手腕が注目されました。2014年7月には環境省顧問に退き、同年12月には日本環境安全事業株式会社代表取締役副社長に就任、2015年6月からは中間貯蔵・環境安全事業株式会社代表取締役社長を務めました。

しかし、2018年に転倒による負傷で入院し、復帰が困難となったため退任しました。在任中は、環境行政の現場で数々の課題に取り組むとともに、組織運営においても卓越したリーダーシップを発揮しました。

国際的な活動

谷津氏は、環境問題に関する国際的な交渉にも深く関与しました。地球サミット（1992年）、地球温暖化防止京都会議（1997年）、G8環境大臣会合（2008年）、UNFCC/COP18（2012年）などの国際会議に参画し、日本の環境政策を国際社会に発信するとともに、国際的な協力関係の構築に貢献しました。

受章

長年の環境行政への貢献が評価され、2024年には瑞宝重光章を受章しました。

まとめ

谷津龍太郎氏は、環境官僚として長年にわたり日本の環境行政を牽引してきた人物です。技術系のバックグラウンドを持ちながら、事務次官という要職を歴任したことは、環境省の歴史においても特筆すべき出来事と言えるでしょう。また、国際的な交渉の場でも活躍し、その存在感を示しました。彼の環境問題への貢献は、今後も長く語り継がれるでしょう。

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