谷野作太郎

谷野 作太郎について

谷野作太郎（たにの さくたろう）は、1936年6月6日生まれの日本の外交官で、東京都出身です。彼はそのキャリアの中で、駐インド大使および駐ブータン大使、そして駐中国大使を務め、国際舞台で的重要な役割を果たしました。また、内閣外政審議室長として、河野談話や村山談話に関与したことでも知られています。

人物背景

谷野は外交官である八木正男を義父に持ち、その妻の母方の祖父に森島守人がいます。彼は小学校時代から福田康夫と親しい関係にあり、二人はピッチャーとキャッチャーとしてバッテリーを組む仲でした。彼は日比谷高校を卒業後、東京大学法学部に進学し、外交官試験に合格後、1960年に外務省に入省しました。

その後、彼は中国語の研修を受け、チャイナ・スクールと呼ばれる外交官グループの一員となりました。

外交官としてのキャリア

谷野は外務省アジア局長として、特にカンボジア和平プロセスにおいて重要な役割を果たしました。彼は河野雅治南東アジア一課長とともに、この和平プロセスを主導しました。

1990年には北朝鮮への訪問団からの「三党共同宣言」に反発し、政治的な対立も経験しました。特に1993年3月の参議院予算委員会での発言は注目を集め、慰安婦問題においての「強制」の定義について言及しました。この際、彼は強制の概念を「物理的に強制を加えるだけでなく、脅かしや畏怖によって自由な意思に反する行為を含む」と述べ、議論を喚起しました。

また、河野談話や村山談話の原案作成に中心的に関わったとされ、これらの談話の内容についても重要なコンセンサスを築く役割を担いました。

略歴と栄典

谷野の学歴は、1949年に東京第一師範学校男子部附属小学校を卒業し、1952年には東京学芸大学附属世田谷中学校を卒業、1955年には都立日比谷高校を卒業し、東京大学に進学しました。1960年に法学部を卒業後、外務省に入省しました。彼の職歴には、香港総領事館副領事、在ソ連大使館一等書記官、駐中国大使などの重要なポジションが含まれています。

彼は2011年に瑞宝重光章を受賞しており、その業績が評価されています。

著書と思想

谷野は自身の経験をもとに数冊の著書を持ち、特に『アジアの昇龍――一外交官のみた躍進韓国』や『中国・アジア外交秘話――あるチャイナハンドの回想』などが知られています。彼の著作は、アジアとの関係を深く考察しており、その視点は今も多くの人々に影響を与えています。

外交セクターにおける谷野の役割は多岐にわたりますが、彼の貢献は日本の外交史において重厚な地位を占めています。

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