豊住芳三郎
豊住芳三郎（とよずみ よしさぶろう）は、1943年7月11日、神奈川県横浜市に生まれました。彼はフリージャズのドラマー、パーカッション奏者、二胡奏者、そして即興演奏家として知られています。1960年代の日本のフリージャズ創成期から活動を始め、国内外の数多くのミュージシャンと共演し、その才能を発揮してきました。
1963年、豊住はドラマーの富樫雅彦に師事し、音楽の基礎を築きました。1967年には、ミッキーカーチス&サムライのドラマーとしてヨーロッパツアーに参加し、国際的な舞台での経験を積みます。1969年には、吉沢元治トリオや高柳昌行のニュー・ディレクションに参加し、フリージャズの最前線で活躍しました。1971年には、AACM（Association for the Advancement of Creative Musicians）のメンバーとなり、ジョセフ・ジャーマン、ロスコー・ミッチェル、ダグラス・ユアートといった著名なミュージシャンたちと共演を果たしました。
一時帰国後、宮間利之とニューハードに参加した豊住は、チャーリー・ミンガスの『ミンガスとオーケストラ』、ツトム・ヤマシタ、佐藤允彦の『ものみな壇ノ浦へ』、弘田三枝子のアルバムなど、多岐にわたる作品に参加しました。1972年には再び渡仏し、アンソニー・ブラクストンのクリエイティヴ・ミュージック・オーケストラに参加。アラン・ショーター、ボビー・フュー、ボブ・リード、加古隆、グレン・スピアマン、ラファエル・ギャレットなど、多くのミュージシャンと交流し、音楽性を深めました。1974年に一時帰国し、ソロアルバム『メッセージ・トゥ・シカゴ』を制作した後、1975年4月に正式に帰国。同年、富樫雅彦のアルバム『スピリチュアル・ネイチャー』にも参加しました。1977年には、高橋悠治の『僕は12歳』、湯浅譲二の『湯浅譲二の個展』といったアルバムにも参加しています。
1978年、豊住は阿部薫が命名した「オーバーハング・パーティー」というデュオでライブ活動を展開しました。同年2月25日、4月15日、4月30日には東京でライブ録音が行われましたが、その直後に阿部薫が急逝。このデュオのライブ音源は、豊住芳三郎がデュオ名をタイトルとしてALMからレコード発売されました。2004年には、イタリアのQbico社からオーバーハング・パーティー（阿部薫 & Sabu Toyozumi）による2枚組LP『Senzei 蝉脱』が発表されました。この音源は1978年に発表されたものとは異なり、より深く二人の音楽性を探求した作品となっています。
その後も豊住は、数多くのCDやLPを発表し続けています。ブエノスアイレス、オークランド、シドニー、香港、レバノン、ロンドン、フィリピン、台湾、ドイツ、イタリア、ベルギー、オーストリー、ブラジル、日本など、世界各地で即興演奏活動を行い、その音楽的探求は止まることを知りません。彼の音楽は、ジャズ、現代音楽、民族音楽、電子音楽など、様々な要素を融合させた独自のスタイルを確立しており、ジャンルを超えた音楽ファンを魅了し続けています。
豊住芳三郎は、数多くのリーダーアルバムを発表しています。
『メッセージ・トゥ・シカゴ』 (1974年、Trio)
『藻』 (1975年、Trio)
『那由陀現成』 (1976年、Columbia)
『OVERHANG-PARTY - A Memorial To Kaoru Abe』 (1979年、ALM-Uranoia)
『ホワット・アー・ユー・トーキング・アバウト?』 - What Are You Talking About? (1983年、DIW)
『コスモス・ハズ・スピリット』 - Cosmos Has Spirit (1992年、Scissors)
『バール・フィリップス/灰野敬二/豊住芳三郎』 - Barre Phillips / Keiji Haino / Sabu Toyozumi (1994年、P.S.F.)
『Talk To The Spirit From The Spirit!』 (1999年、May 2nd)
『Fiktion』 (1999年、Studio Wee)
『SABU BROTZMANN DUO』 (1999年、Improvised company)
『Live In Okayama 1987』 (2000年、Improvised Company)
『Ars Longa Dens Brevis』 (2000年、Allelopathy)
『芳』 - Fragrance (2000年、自主制作)
『ソウル地下鉄ライブ・2001.4.28ドキュメント』 - Seoul Subway Live (2001年、Jabrec Art Music)
『SOUL BROTHERS』 (2001年、Hum Ha)
『Blue Skies』 (2002年、Hum Ha)
Live In Japan 1997 (2003年、Qbico)
『The Crushed Pellet』 (2003年、Studio Wee)
『SUBLIMATION / サブリメイション』 - Sublimation (2004年、Bishop)
『散華楽 クリエイティブ・イン・ホドガヤ Vol.11』 - Creative In Hodogawa Vol.11 - Sangeraku (2004年、May 2nd)
Overhang Party / Senzei 蝉脱 (2004年、Qbico)
『Son's Scapegoat』 (2005年、Siwa)
If Ocean Is Broken (2009年、Qbico)
『深紅唇』 - Crimson Lip (2011年、Improvising Beings)
『蒼海』 - Blue Sea (2012年、Kaitai)
『新海』 - New Sea (2012年、Kaitai)
『交際 友情』 - Kosai Yujyo (2012年、Improvising Beings)
『ミシャ・サブ・デュオ 逍遥遊』 - The Untrammeled Traveler (2013年、Chap Chap)
Music Non-Stop (2014年、Nicole's Creative Artists Agency)
The Sundance 2 (2014年、JaZt Tapes)
『Dada 打、打』 (2015年、Chap Chap)
The Conscience (2017年、NoBusiness)
『Forestry Comrade』 (2017年、Chap Chap)
『無為自然』 - Empty Spontaneity (2017年、Chap Chap)
Mannyoka (2018年、NoBusiness)
Burning Meditation (2018年、NoBusiness)
『Preludes And Prepositions』 (2018年、Chap Chap)
『JYA-NE』 (2018年、Not On Label)
『The Center Of Contradiction』 (2018年、Chap Chap)
Banka (2018年、NoBusiness)
『かのようにもう一度』 - As If Once More (2018年、Klopotec)
『上善若水』 - As Good As Water (2018年、好有感覺音樂、Step Back Trax)
Search For The Five Senses (2018年、Sol Disk)
『THE AIKI 合気』 (2019年、NoBusiness)
『太陽を追う』 - Chasing the Sun (2019年、Chap Chap)
Sol Abstraction (2019年、Sol Disk)
『Blue Incarnation』 (2019年、Chap Chap)
Hokusai (2020年、NoBusiness)
reAbstraction (2020年、FMR)
『Voices of the Spirit』 (2020年、Chap Chap)
I Am Village (2020年、FMR)
『Future Of Change』 - Future Of Change (2020年、Chap Chap)
* Turtle Bird (2020年、FMR)
これらの作品は、彼の音楽的な多様性と、常に新しい表現を追求する姿勢を物語っています。
豊住芳三郎は、その独創的な音楽活動を通じて、フリージャズ界における重要な存在であり続けています。
若き日の音楽活動
1963年、豊住はドラマーの富樫雅彦に師事し、音楽の基礎を築きました。1967年には、ミッキーカーチス&サムライのドラマーとしてヨーロッパツアーに参加し、国際的な舞台での経験を積みます。1969年には、吉沢元治トリオや高柳昌行のニュー・ディレクションに参加し、フリージャズの最前線で活躍しました。1971年には、AACM（Association for the Advancement of Creative Musicians）のメンバーとなり、ジョセフ・ジャーマン、ロスコー・ミッチェル、ダグラス・ユアートといった著名なミュージシャンたちと共演を果たしました。
海外での活動と帰国
一時帰国後、宮間利之とニューハードに参加した豊住は、チャーリー・ミンガスの『ミンガスとオーケストラ』、ツトム・ヤマシタ、佐藤允彦の『ものみな壇ノ浦へ』、弘田三枝子のアルバムなど、多岐にわたる作品に参加しました。1972年には再び渡仏し、アンソニー・ブラクストンのクリエイティヴ・ミュージック・オーケストラに参加。アラン・ショーター、ボビー・フュー、ボブ・リード、加古隆、グレン・スピアマン、ラファエル・ギャレットなど、多くのミュージシャンと交流し、音楽性を深めました。1974年に一時帰国し、ソロアルバム『メッセージ・トゥ・シカゴ』を制作した後、1975年4月に正式に帰国。同年、富樫雅彦のアルバム『スピリチュアル・ネイチャー』にも参加しました。1977年には、高橋悠治の『僕は12歳』、湯浅譲二の『湯浅譲二の個展』といったアルバムにも参加しています。
阿部薫との伝説的なデュオ
1978年、豊住は阿部薫が命名した「オーバーハング・パーティー」というデュオでライブ活動を展開しました。同年2月25日、4月15日、4月30日には東京でライブ録音が行われましたが、その直後に阿部薫が急逝。このデュオのライブ音源は、豊住芳三郎がデュオ名をタイトルとしてALMからレコード発売されました。2004年には、イタリアのQbico社からオーバーハング・パーティー（阿部薫 & Sabu Toyozumi）による2枚組LP『Senzei 蝉脱』が発表されました。この音源は1978年に発表されたものとは異なり、より深く二人の音楽性を探求した作品となっています。
現在に至るまで
その後も豊住は、数多くのCDやLPを発表し続けています。ブエノスアイレス、オークランド、シドニー、香港、レバノン、ロンドン、フィリピン、台湾、ドイツ、イタリア、ベルギー、オーストリー、ブラジル、日本など、世界各地で即興演奏活動を行い、その音楽的探求は止まることを知りません。彼の音楽は、ジャズ、現代音楽、民族音楽、電子音楽など、様々な要素を融合させた独自のスタイルを確立しており、ジャンルを超えた音楽ファンを魅了し続けています。
ディスコグラフィ（一部）
豊住芳三郎は、数多くのリーダーアルバムを発表しています。
『メッセージ・トゥ・シカゴ』 (1974年、Trio)
『藻』 (1975年、Trio)
『那由陀現成』 (1976年、Columbia)
『OVERHANG-PARTY - A Memorial To Kaoru Abe』 (1979年、ALM-Uranoia)
『ホワット・アー・ユー・トーキング・アバウト?』 - What Are You Talking About? (1983年、DIW)
『コスモス・ハズ・スピリット』 - Cosmos Has Spirit (1992年、Scissors)
『バール・フィリップス/灰野敬二/豊住芳三郎』 - Barre Phillips / Keiji Haino / Sabu Toyozumi (1994年、P.S.F.)
『Talk To The Spirit From The Spirit!』 (1999年、May 2nd)
『Fiktion』 (1999年、Studio Wee)
『SABU BROTZMANN DUO』 (1999年、Improvised company)
『Live In Okayama 1987』 (2000年、Improvised Company)
『Ars Longa Dens Brevis』 (2000年、Allelopathy)
『芳』 - Fragrance (2000年、自主制作)
『ソウル地下鉄ライブ・2001.4.28ドキュメント』 - Seoul Subway Live (2001年、Jabrec Art Music)
『SOUL BROTHERS』 (2001年、Hum Ha)
『Blue Skies』 (2002年、Hum Ha)
Live In Japan 1997 (2003年、Qbico)
『The Crushed Pellet』 (2003年、Studio Wee)
『SUBLIMATION / サブリメイション』 - Sublimation (2004年、Bishop)
『散華楽 クリエイティブ・イン・ホドガヤ Vol.11』 - Creative In Hodogawa Vol.11 - Sangeraku (2004年、May 2nd)
Overhang Party / Senzei 蝉脱 (2004年、Qbico)
『Son's Scapegoat』 (2005年、Siwa)
If Ocean Is Broken (2009年、Qbico)
『深紅唇』 - Crimson Lip (2011年、Improvising Beings)
『蒼海』 - Blue Sea (2012年、Kaitai)
『新海』 - New Sea (2012年、Kaitai)
『交際 友情』 - Kosai Yujyo (2012年、Improvising Beings)
『ミシャ・サブ・デュオ 逍遥遊』 - The Untrammeled Traveler (2013年、Chap Chap)
Music Non-Stop (2014年、Nicole's Creative Artists Agency)
The Sundance 2 (2014年、JaZt Tapes)
『Dada 打、打』 (2015年、Chap Chap)
The Conscience (2017年、NoBusiness)
『Forestry Comrade』 (2017年、Chap Chap)
『無為自然』 - Empty Spontaneity (2017年、Chap Chap)
Mannyoka (2018年、NoBusiness)
Burning Meditation (2018年、NoBusiness)
『Preludes And Prepositions』 (2018年、Chap Chap)
『JYA-NE』 (2018年、Not On Label)
『The Center Of Contradiction』 (2018年、Chap Chap)
Banka (2018年、NoBusiness)
『かのようにもう一度』 - As If Once More (2018年、Klopotec)
『上善若水』 - As Good As Water (2018年、好有感覺音樂、Step Back Trax)
Search For The Five Senses (2018年、Sol Disk)
『THE AIKI 合気』 (2019年、NoBusiness)
『太陽を追う』 - Chasing the Sun (2019年、Chap Chap)
Sol Abstraction (2019年、Sol Disk)
『Blue Incarnation』 (2019年、Chap Chap)
Hokusai (2020年、NoBusiness)
reAbstraction (2020年、FMR)
『Voices of the Spirit』 (2020年、Chap Chap)
I Am Village (2020年、FMR)
『Future Of Change』 - Future Of Change (2020年、Chap Chap)
* Turtle Bird (2020年、FMR)
これらの作品は、彼の音楽的な多様性と、常に新しい表現を追求する姿勢を物語っています。
豊住芳三郎は、その独創的な音楽活動を通じて、フリージャズ界における重要な存在であり続けています。
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