豊前善光寺駅

豊前善光寺駅：歴史と現状

大分県宇佐市東高家に位置する豊前善光寺駅は、九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線沿線に佇む駅です。歴史を紐解くと、明治30年（1897年）9月25日、豊州鉄道の行橋駅～柳ケ浦駅間の開通に伴い、「四日市駅」として開業しました。その後、幾度かの鉄道会社合併や国有化を経て、大正8年（1919年）9月1日、現在の「豊前善光寺駅」に改称されました。駅名の由来は、駅近くに位置する豊前善光寺（芝原善光寺とも呼ばれ、日本三大善光寺の一つと称されています）です。

昭和10年（1935年）には木造平屋建ての2代目駅舎が完成しましたが、平成18年（2006年）に鉄骨造平屋建ての3代目駅舎に建て替えられました。この3代目駅舎は、約57平方メートルの規模です。

開業以来、地域の重要な交通拠点として発展を遂げた豊前善光寺駅ですが、時代の流れとともに変化を遂げてきました。昭和53年（1978年）には貨物輸送が廃止され、昭和60年（1985年）には荷物扱いも廃止されました。平成28年（2016年）3月26日には無人駅化となり、現在に至ります。日豊本線の天津駅～柳ケ浦駅間の複線化は、昭和57年（1982年）に完成しました。また、平成24年（2012年）1[[2月1日]]からはICカードSUGOCAが利用可能となりました。

利用状況の変化も見てみましょう。昭和40年（1965年）度の年間乗車人員は約39万8千人でしたが、平成27年（2015年）度には約9万4千人に減少しています。この減少は、モータリゼーションの進展や人口減少など、社会情勢の変化を反映していると言えるでしょう。当時、手荷物や小荷物の取り扱いも行われていた事実も、時代の変化を感じさせます。

駅周辺には、豊前善光寺以外にも、乙女郵便局や、大分県道529号豊前善光寺停車場線、大分県道23号中津高田線、大分県道629号和気佐野線などがあります。これらの道路は駅からはやや離れています。バス路線としては、大交北部バス「善光寺駅前」停留所が利用可能です。

現在、豊前善光寺駅は単式ホーム2面2線の地上駅で、快速列車（上り方向のみ）と普通列車が停車します。隣の駅は、上り方向が天津駅、下り方向が柳ケ浦駅です。駅舎は簡素ながらも、地域の生活に密着した存在として、静かにその役割を担っています。歴史の重みと現代の簡素さを併せ持つ豊前善光寺駅は、これからも地域の人々の暮らしを見守り続けるでしょう。

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