豊岡村 (愛媛県)

愛媛県宇摩郡豊岡村：その歴史と地理

豊岡村（とよおかむら）は、かつて愛媛県の東予地方、宇摩郡に位置していた村です。1954年11月1日、三島町、松柏村、寒川町、富郷村、金砂村との合併により伊予三島市となり、その歴史を閉じました。現在の四国中央市の西部に位置し、燧灘に面した地域です。

地理

豊岡村は、豊岡川の流域に広がっていました。北は燧灘に面し、南は赤石山、豊受山、鋸山などの山々が富郷村との境界を形成していました。これらの山々から流れ出る河川は、小規模ながらも扇状地を形成し、肥沃な土地を育んでいます。

村名の由来

村名の由来は残念ながら不詳です。

歴史

村の沿革

1889年（明治22年）12月15日、町村制の施行に伴い、長田、大町、五良野、岡銅、豊田の5つの村が合併し、宇摩郡豊岡村が誕生しました。役場は大字豊田に置かれました。

1954年（昭和29年）11月1日、豊岡村は三島町、松柏村、寒川町、富郷村、金砂村と合併し、新たに伊予三島市が発足。これにより、豊岡村は自治体としての役割を終えました。

豊岡村の系譜

以下に、豊岡村の成立から現在に至るまでの変遷を図示します。


（町村制実施以前の村）　（明治期）　　　　　　　　　（昭和の合併）　（平成の合併）
　　　　　　　　　　　　町村制施行時　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　あ　　　い　う　　　　お　
三島　━━━━━━━━三島村━━三島町━┳━┳━━━━┳伊予三島市━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　┃　　　　┃　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　中曽根村━━━━━┫　┃　　　　┃　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　中之庄━━━━━━┫　┃　　　　┃　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　松柏村━━━━━━┛　┗松柏村━┫　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　え　　　┃　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　寒川村━━━━━━━━━寒川町━┫　　　　　　┃
長田　━━━━┓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　　　　　　┃
大町　━━━━┫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　　　　　　┃
五良野━━━━╋━━━豊岡村━━━━━━━━━━━━━┫　　　　　　┃
岡銅　━━━━┫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　　　　　　┃
豊田　━━━━┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　富郷村━━━━━━━━━━━━━┫　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　金砂村━━━━━━━━━━━━━┛　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃平成16年4月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃新設合併
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣四国中央市
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川之江市━━━━━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新宮村━━━━━━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　土居町━━━━━━━━━━┛


あ – 明治31年11月21日 三島村が町制施行、三島町に
い – 昭和19年4月1日 三島町、中曽根町、中之庄、松柏村が合併し三島町に
う – 昭和25年10月1日 三島町から松柏村が分立
え – 昭和27年6月1日 寒川村が町制施行し寒川町に
お – 昭和29年11月1日 三島町、松柏村、寒川町、豊岡村、富郷村、金砂村が合併、市制施行し伊予三島市となる。

（注記）豊岡村以外の合併以前の系譜はそれぞれの市町村の記事を参照のこと。

地域

合併前の旧5か村は、そのまま大字として引き継がれました。具体的には、長田（おさだ）、大町（おおまち）、五良野（いらの）、岡銅（おかどう）、豊田（とよだ）です。伊予三島市になってからは、「豊岡町」を冠するようになり、例として「伊予三島市豊岡町長田」のように表記されました。これは、平成の合併で四国中央市になっても同様で、「四国中央市豊岡町長田」のように地名が用いられています。

産業

豊岡村の主要な産業は農業でした。特に、この地域特有のやまじ風の影響を避けるため、イモ類、球根、花き類の栽培が盛んに行われました。また、畜産も重要な産業として営まれていました。

交通

村内には、国道11号と国鉄予讃本線が東西に貫通していましたが、村内に駅は存在しませんでした。

関連項目

愛媛県の廃止市町村一覧

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