豊浜町 (広島県)

豊浜町について

豊浜町（とよはまちょう）は、広島県にかつて存在していた町です。豊田郡に属し、芸予諸島の中心部に位置していました。この町は豊島、屋久比島、斎島の全域と、大崎下島や三角島の一部から構成されていましたが、2005年3月20日に呉市に編入され、消滅しました。

歴史

豊浜町の歴史は、1889年（明治22年）4月1日に市町村制が施行されたことから始まります。この時点では、豊田郡には豊浜村が存在しているのみでした。その後、豊浜村は長い時間にわたり単独村政及び単独町制を維持しました。特に重要な出来事は、1935年1月21日に発生した定期連絡船の沈没事件です。この事故により、11名の命が奪われるという悲劇がありました。1969年11月3日には、豊浜村が町に昇格し、豊浜町となりました。しかし、2005年に安芸郡の音戸町・蒲刈町・倉橋町、さらには豊田郡の安浦町・豊町とともに呉市に編入され、町としての歴史に幕を下ろしました。

地理

豊浜町の主要な島々には、豊島、大崎下島、三角島、屋久比島、そして斎島があります。大崎下島と三角島の大部分は豊田郡豊町に属しており、豊浜町はこれらの島の全域及び一部を含んでいました。また、名所としてはアビ渡来群游海面が国の天然記念物に指定されており、観光資源ともなっていました。

産業

豊浜町は漁業と農業を主な産業としていました。特に、漁業では斎島においてアビ漁が行われており、多くの住民がこれに従事していました。農業面では、みかんやレモンなどの柑橘類の栽培が盛んで、地域経済を支える重要な要素となっていました。

大字と交通

豊浜町内の大字には、斎島、大浜、豊島が含まれていました。交通面では、2005年3月19日当時、鉄道は通っておらず、国道や主要地方道も存在していませんでした。しかし、一般県道や航路が整備されており、豊島港や立花港、斎島港などから高速船が発着していました。特に、豊浜町と周辺の島々を結ぶ航路は、地域の交通手段として非常に重要でした。

教育

豊浜町には、豊浜町立の豊島小学校と豊浜中学校が設置されていました。豊島小学校は2014年に近隣の小学校と統合され、廃校となりましたが、教育機関の役割を果たしていました。豊浜町は、小さな町ながらも豊かな自然と歴史を有し、地域住民が誇る文化や生活様式が根付いていました。

もう一度検索