豊真将紀行

豊真将 紀行（ほうましょう のりゆき）

元大相撲力士である豊真将 紀行は、1981年4月16日に山口県下関市で生まれ、本名を山本 洋介といいます。彼は、錣山部屋に所属し、156kgの体重に加え、186cmの身長を誇る力士でした。四股名の「豊真将」の意味は多面的であり、「豊」は合併で消えた豊浦町を指し、「真」は己の心、「将」は大将を意味します。そして「紀」は出身校の監督の一字であり、「行」は父から授かった一字を示すものです。このように、豊真将の四股名には彼の家族や故郷に対する感謝の思いが込められています。

彼の最高位は東小結であり、2012年5月場所ではその地位に立ちました。また、趣味には読書や史跡巡りがあります。現在は年寄・錣山として後進の指導を行っています。

経歴・人物背景

学生時代

豊真将は、豊浦中学校での相撲活動を通じて、地元の大会で活躍しました。その後、埼玉栄高等学校に進学し、全国大会での活躍と学業でも優秀な成績を残しましたが、在学中に蜂窩織炎を患い、相撲部を退部しました。一時は相撲を断念し、警備員などのアルバイトで生活を支えていました。

大相撲入門

健康状態が改善された後、豊真将は再び相撲を志し、錣山部屋に入門しました。初土俵を踏んだのは2004年3月。年齢は22歳11ヶ月で、同世代の力士よりもかなり遅いスタートでした。入門当初は苦戦を強いられましたが、徐々に実力をも発揮するようになり、2004年11月には三段目で全勝優勝を飾りました。

入門から5場所で幕下に昇進し、さらに2006年には十両に昇進、2年後の2008年には新入幕を果たしました。彼の入幕は、山口県において35年ぶりの快挙でした。地元からの熱い応援を受けながら、力士としての道を歩んでいきました。

現役時代の功績

初入幕頃は怪我もあり、なかなか勝ち進むことができませんでしたが、2006年11月場所では大きな成長を見せ、12勝3敗という成績を挙げたことから敢闘賞と技能賞の両方を受賞しました。その後も、数度にわたり3賞を受賞し、特に2010年7月場所では優勝争いに加わりながらも、最終的には11勝4敗で敢闘賞を受賞しました。

引退と親方としての道

2015年、豊真将は幕下に降格した後、休場を余儀なくされ、引退を決意しました。その後、年寄・立田川を襲名し、相撲界にとどまりました。2016年には断髪式を行い、約300人が参加して祝福されました。

錣山部屋の師匠

2023年12月、豊真将は20代錣山の死去に際して感謝の思いを語り、彼から託された錣山部屋を引き継ぐ意向を示しました。日本相撲協会より正式に継承・襲名が承認され、豊真将は今後も弟子たちをまとめ、錣山部屋としての伝統を守り続けることに尽力しています。

取り口と評価

豊真将の取り口は守りに強い姿勢が特徴ですが、相撲勘が弱点とされていました。彼の戦績には多くの病気や怪我と闘った経験も反映されていますが、誠実で優しい性格はファンから高く評価され、多くの支持を受けていました。また、ドラマやフェイスブックに登場し、一般人との距離を縮める努力も怠りませんでした。

豊真将は自身の相撲道を生き抜き、多くの挑戦を経験してきた力士であり、今後も新たな道を歩み続ける姿が期待されています。

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