象さんのポット

象さんのポット：時代を先取りした不条理漫才コンビ

象さんのポットは、1983年に結成し1994年に解散したお笑いコンビです。ブッダストーンオフィスに所属し、短い活動期間ながらも、その独特な芸風で一部のお笑いファンや業界関係者から熱烈な支持を受けました。

メンバー

としゆき（本名：佐藤 利行）：1961年9月10日生まれ。岩手県出身。コンビ解散後は「時生今日人」として映像作家に転身し、シュールなコメディ短編を制作する「日本電脳穿隊」を主宰しています。
ひとし（本名：宮野 一志）：1962年8月30日生まれ。千葉県出身。解散後の活動は明らかになっていません。

結成と『お笑いスター誕生!!』

二人は横浜放送映画専門学院（現・日本映画大学）在学中に、漫才の講義がきっかけでコンビを結成しました。講師であった内海桂子・好江の勧めにより、日本テレビのオーディション番組『お笑いスター誕生!!』に出演。7週勝ち抜き銀賞を獲得し、その名を知らしめました。

芸風：不条理漫才という新境地

象さんのポットの芸風は、従来の漫才とは一線を画すものでした。『お笑いスター誕生!!』では「若者の立ち話的漫才」と紹介されましたが、脱力的な雰囲気、噛み合わない会話から生まれるシュールな笑いは、当時の人々には斬新に映りました。彼らのスタイルは「不条理漫才」とも呼ばれ、ボケとツッコミという役割分担も曖昧で、二人ともがボケを演じているようなスタイルでした。

ネタ作りは、主に、としゆきが担当していました。そのインスピレーションの源は、一般的な演芸ではなく、『天才バカボン』や『がきデカ』といったギャグ漫画だったといいます。また、筒井康隆の小説やいがらしみきおの漫画からも影響を受けたと語っています。

エピソード

『お笑いスター誕生!!』出演時、司会の中尾ミエに芸名を聞かれ、としゆきが咄嗟に「こいのぼり・かぶと」と答えたというエピソードがあります。
『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の企画「ランキングキャラクターライブ」では、象さんのポットのパロディである「父さんのコップ」（南原清隆と堀部圭亮のコンビ）が登場し、話題を呼びました。
とんねるずの石橋貴明は、おぎやはぎの芸風を「象さんのポットみたいだ」と評したことがあります。

解散後

惜しまれつつも1994年に解散。としゆきは映像作家「時生今日人」として活動し、独自の映像作品を制作しています。

出演

お笑いスター誕生!!（日本テレビ）
ニッポンテレビ大学（日本テレビ）
ここんちプラネット（テレビ東京）
爆笑王誕生（日本テレビ）
笑売繁盛!（日本テレビ）
プロインタビュアー吉田豪の元○○な人々（関西テレビ放送）※「としゆき」のみ出演。

受賞歴

1984年 『お笑いスター誕生!!』グランプリシリーズ 銀賞
1986年7月5日 『お笑いスター誕生!!』第7回オープントーナメントサバイバルシリーズ 決勝進出

書籍

超日常体験報告 (1994年、出版研)
競馬の王道（1995年、出版研）宮野の単著。競馬を題材としたゲームブック。

外部リンク

日本電脳穿隊サイト

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