買取大吉

買取大吉の概要と展望

買取大吉（かいとりだいきち）は、東京都新宿区を拠点に置く株式会社エンパワーが運営する買取専門店で、全国に1,300以上の店舗を持ち（2025年5月現在）、業界内での地位を確立しています。買取大吉は、北海道から沖縄県まで広がるネットワークを通じて、中古品の買取だけでなく、出張買取やイベント買取にも力を入れています。さらに、BtoB向けのオンラインオークション『大吉オークション』も運営し、業界のリーダーとしての役割を果たしています。

買取サービスと市場動向

特に2021年から始まった『大吉オークション』は、店舗で買い取った商品を出品し、全国から集まる参加者が競りを行う新たなシステムです。商品の事前確認が可能なため、参加者の安心感が高く、特に台湾や中国のバイヤーによる高値買取が増えていることが、この業態の成功に寄与しています。近年は、インフレや地政学的リスクの影響で金価格が高止まりし、リユース市場が拡大する中、消費者が不要品を処分する傾向が加速しています。

2021年には166店、2022年には207店の新規出店があり、2023年には773店舗まで成長しました。社長の増井俊介は、消費者の物に対する意識の変化がリユース文化の定着に貢献していると述べています。この傾向は、持続可能な消費を志向する世代の増加に影響されていると分析しています。現在のリユース市場は約3兆円とされ、埋蔵されている資産は40兆円に上るため、中長期的にも成長の余地があります。2022年度の売上は263億円でしたが、2023年度には430億円を見込んでおり、その成長率は163%に上ります。

店舗の特徴

買取大吉の店舗デザインは、2021年に一新され、青色のロゴを二種類用意し、個々の販路に適したファサードを展開しています。直営店は約15坪、フランチャイズ店は5〜15坪のサイズ感で、出店形態は多種多様です。商業施設内に出店するケースが多く、特に食品スーパーとの組み合わせが目立っています。競合他社と異なり、買取大吉では50代以下の顧客が30％以上を占めており、貴金属やブランド品に特化した買取が主力となっています。

フランチャイズと出店戦略

フランチャイズの出店には厳格な基準が設定され、地域特性や競合状況を考慮しなければなりません。2020年頃からは商業施設への出店が注目され、すでに買取店が存在する地域でも選ばれる理由は、企業としての信用度が高いためです。この戦略が成功を収めており、出店競争においても強い立場を維持しています。

協力とメディア展開

買取大吉は、コメダ珈琲店や毎日新聞社との協業を通じて信頼性の高いブランディングを展開しており、7割のリユース未経験者へのアプローチを模索しています。また、テレビ番組やラジオ番組への提供も行い、広範囲な認知度を確立しています。具体的には、テレビ東京の『なんでも鑑定団』やTBSの『アッコにおまかせ』などの番組での協力が挙げられ、その中で鑑定士が出演し、買取大吉の評判を高めています。

未来への展望

これらの取り組みと市場トレンドにより、買取大吉は今後も持続的な成長が見込まれています。リユース文化が根付く中で、消費者の意識変革とともに新たな市場を開拓し続ける姿勢が重要です。

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