賀耀組

賀耀組 (が ようそ)

賀耀組は中華民国及び中華人民共和国において、軍人、政治家、外交官として活動した人物であり、特に湘軍に属しながら国民革命軍でも重要な役務を務めました。彼は蔣介石の信任厚い腹心として知られ、後には反対者としての道を歩むことになります。彼の日本留学時代から始まるキャリアや、軍事的な功績、さらに晩年の政治的な変化について詳しく見ていきましょう。

初期のキャリア

賀耀組は地方官吏の家庭に生まれ、1905年に湖南新軍に参加。湖南陸軍小学校を卒業後は、武昌陸軍中学及び保定陸軍軍官学校で学び、1911年には日本に留学し、東京振武学校で学びました。彼は同年の武昌起義が勃発すると、江蘇の革命軍に加わり、以降は湘軍に参加しました。

1914年、陸軍士官学校を卒業して帰国後、湘軍に属し、着実に昇進を果たし、1920年には第1旅の旅長に昇格。湖南省における軍政の実権を握る趙恒惕の配下で、数多くの軍功を重ねました。特に、1923年に孫文支持派と戦い、敵の譚延闓を撃退したことで、第1師の師長に昇進しました。

北伐と済南事件

1926年には北伐に参加し、北京政府の軍を打破した後、南京に軍を進めました。蔣介石との関係が深まる中で、1930年には国民政府参軍長に任命されました。賀は中原大戦においても活躍し、抗日戦争に突入する1938年には、軍事委員会の重要な役職に就いていました。

しかし、彼は戦争が続く中で中国共産党と接触し、反共政策に疑問を持つようになったのです。これが後に彼と蔣介石との信頼関係を崩壊させる要因となりました。

政治的分裂と晩年

1942年には重慶市長に任命されましたが、共産党との関わりや行政政策を巡って蔣介石と対立が続き、1945年には中央監察委員に任命されるものの、政治的立場はますます複雑化しました。1949年、国共内戦の影響で賀は香港に移住し、その後中国共産党への支持を表明することとなりました。

中華人民共和国が成立した後、彼は中南軍政委員会のメンバーや全国人民代表大会の代表として活動し、1961年には生涯を閉じました。彼の生涯は、軍事的な栄光と政治的な葛藤の両面を強く反映したものでした。

著作

賀耀組は数冊の著作も残しており、代表作には『津浦線上蔣閻兩軍戦況概述』や『1928年日軍侵占濟南的回憶』があります。これらの著作は彼の経験や視点を示しており、歴史的な資料としても価値があります。

彼の物語は、時代の変遷によって運命を大きく左右された一人の軍人の生涯を伝えています。

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