赤坂の夜は更けて/女の意地

「赤坂の夜は更けて／女の意地」

この項目では、歌手・西田佐知子が1965年12月にポリドール・レコード（現：ユニバーサルミュージック）からリリースしたシングル「赤坂の夜は更けて／女の意地」について解説する。このシングルは、品番SDR-1158として発売された。

このレコードは、ムード歌謡の雰囲気をまとった2つの楽曲を収めた両A面盤として企画されたものである。収録曲はいずれも、当時、東京放送（TBS）で音楽プロデューサー兼ディレクターとして活躍し、日野てる子の「夏の日の想い出」などのヒット曲も手掛けた鈴木道明によって作詞・作曲された。演奏はポリドール・オーケストラが担当している。

赤坂の夜は更けて

A面に収録された「赤坂の夜は更けて」は、リリース当時、島倉千代子、和田弘とマヒナスターズ、三島敏夫、武井義明といった多くの歌手によって競作された楽曲であった。数あるバージョンの中でも、西田佐知子が歌唱したものが最も広く知られ、商業的な成功を収めた。1968年時点では、累計50万枚のセールスを記録している。

楽曲の歌詞は短い2コーラスで構成されているが、西田盤の特徴として、1コーラス分に相当する長い間奏が挿入されている点が挙げられる。このバージョンは、後年になってちあきなおみ、藤圭子、麻生よう子など、その時代の人気歌手によってカバーされた。

西田佐知子は、この楽曲を携えて1965年の大晦日に放送された『第16回NHK紅白歌合戦』に出場し、連続5回目の紅白出場を果たした。

なお、島倉千代子によるバージョンは西田盤より早く、1965年10月に酒井政利のプロデュースで発売されたが、売り上げは西田盤の約1割程度にとどまったとされている。

女の意地

B面に収録された「女の意地」は、西田佐知子自身が特に好んで歌唱していた楽曲として知られる。この曲は、発売から数年を経た1970年から1971年にかけて改めて注目を集め、リバイバルヒットを記録した。

リバイバルヒットの最中であった1970年12月には、「赤坂の夜は更けて」とのカップリングではない新たなシングルとして、「女の意地／傷ついた花びら」が改めてレコーディング・発売された。こちらは、鈴木道明の作詞・作曲、川上義彦の編曲という布陣であった。

西田は、この曲を1970年の大晦日に放送された『第21回NHK紅白歌合戦』で披露した。翌1971年に入ると、楽曲の人気はさらに高まり、40万枚のヒットとなった。オリコンの集計による年間ヒットチャートでは、1971年の第28位にランクインを果たしている。

西田佐知子は、1971年に俳優の関口宏と結婚した後、歌手活動を徐々に控えるようになった。そのため、連続10回目の出場という節目となった1970年の『NHK紅白歌合戦』が、結果として彼女にとって最後の紅白出演となっている。

コンピレーションへの収録

各レコード会社が共同企画として制作したコンピレーションアルバム『青春歌年鑑』シリーズにおいて、「女の意地」は1965年と1971年のヒット曲を収めた2作品、『青春歌年鑑 1965 BEST30』と『青春歌年鑑 1971 BEST30』にそれぞれ収録されている。また、『青春歌年鑑 1965 BEST30』には「赤坂の夜は更けて」も併せて収録された。

主な収録作品

西田佐知子のベストアルバムや全曲集には、多くの場合この2曲が収録されている。代表的な収録作品は以下の通り。

西田佐知子 アカシアの雨がやむとき（1993年）
全曲集（1994年）
西田佐知子全曲集（1999年）
GOLDEN☆BEST 西田佐知子（2003年）
初めての街で 〜西田佐知子ベストセレクション〜（2009年）

カバーされた楽曲

「赤坂の夜は更けて」「女の意地」は、発売後も多くの歌手によってカバーされている。

赤坂の夜は更けて
舟木一夫（1967年）
藤圭子（1973年）
朝丘雪路（1975年）
麻生よう子（1980年）
チェウニ（2002年）
女の意地
平浩二（1970年） - このカバーバージョンは35万枚のセールスを記録し、平浩二自身にとって初のヒット曲となった。
内山田洋とクール・ファイブ（1971年）
藤圭子（1973年）
石川さゆり（1976年）
はやぶさ（2013年）

映画化

「女の意地」は、その楽曲をモチーフとして日活によって映画化され、1971年5月5日に公開された。斎藤光正が監督、下飯坂菊馬が脚本を手掛け、松原智恵子が主演を務めた。

関連項目

1965年の音楽、1970年の音楽、1971年の音楽
NHK紅白歌合戦（第16回、第21回）
青春歌年鑑
* 東京都のご当地ソング一覧（赤坂）

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