赤坂本町駅

赤坂本町駅について

赤坂本町駅（あかさかほんまちえき）は、岐阜県大垣市赤坂町にかつて存在した西濃鉄道市橋線の駅です。時代とともに変遷を遂げたこの駅は、戦前から戦中にかけて重要な役割を果たしていましたが、今は廃駅となり、その面影を残すのみとなっています。

駅の概要

赤坂本町駅は1930年2月1日に開設されました。この駅は鉄道省が導入した初のガソリン気動車を使用し、当時は旅客列車が定期的に運行されていました。大垣駅から美濃赤坂駅までの旅客列車の運転が行われ、赤坂本町駅はその中継地点となっていました。

旅客営業の変遷

最初は市橋駅までの直通運転が行われていましたが、次第に利用客が減少し、1935年6月16日からは赤坂本町駅を起点とする折り返し運転に変更されました。これにより、駅の利用は限られたものとなりました。

戦時中には燃料の統制が厳しくなり、気動車による運行が困難になったため、ついには1945年4月1日に旅客営業が廃止され、駅も休止状態となります。その結果、赤坂本町駅は姿を消すこととなりました。

駅の構造

昔の赤坂本町駅は、旧中山道と市橋線の交点に位置しており、単式ホーム1面のみというシンプルな構造が特徴でした。駅の簡素なデザインは、当時の鉄道駅の多くがそうであったように、利用目的を明確にするものとなっていました。

発着列車の動向

赤坂本町駅が開設された1930年には、大垣駅からの市橋間で7往復の旅客列車が運行されていました。しかし、利用客の減少に伴い、1934年には運行本数が3往復にまで減少しました。最終的には1944年には、当駅への旅客列車は運行されることがなくなりました。

駅の周辺

駅周辺には岐阜県道216号赤坂垂井線（旧中山道）や大垣共立銀行赤坂支店、十六銀行赤坂支店が点在しています。以前は赤坂港跡もあった場所でしたが、現在ではその様子は見ることができません。

廃止後の状況

赤坂本町駅が廃止された後も、駅のエリアには石垣製のプラットホームが残り、駅跡を示す碑も建立されています。これらは、かつてこの場所に人々の往来があったことを物語る貴重な財産となっており、訪れる人々に静かな歴史を伝えています。

隣駅の状況

1934年には、市橋線の旅客列車が赤坂本町駅を経由して運行されていた時期がありました。しかし、周辺の交通環境から、駅扱いを受けていなかった美濃赤坂駅のホームを利用することはできず、赤坂本町駅はあくまで中継地点に過ぎませんでした。さらに、乙女坂駅や猿岩駅は貨物専用駅であったため、旅客列車の発着がなかったことも特徴的でした。

結論

赤坂本町駅は、その歴史的な重要性と共に、時代の変遷の中で次第に静かな場所へと変わっていきました。現在壊滅的な状態にあるにもかかわらず、駅の遺構や碑は、その存在を今に伝えており、多くの人々に思いを馳せさせています。

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