猿岩駅

猿岩駅について

猿岩駅（さるいわえき）は、岐阜県大垣市南市橋町に位置していた西濃鉄道市橋線の貨物駅です。この駅は貨物専用であり、2022年に廃止され、乙女坂駅にその機能が統合されました。これにより、市橋線の営業距離は乙女坂駅地点で1.3 kmとなりますが、猿岩駅を含めた総延長は2.0 kmとなるという特徴があります。

歴史

猿岩駅の歴史は、1928年12月17日に始まります。当時、美濃赤坂から市橋までの区間が開業し、同時に貨物駅として開設されました。この駅は当初から貨物のみを扱うものであったため、多くの人々が利用する駅ではありませんでした。

2006年3月31日には、猿岩駅から市橋駅の間が廃止され、猿岩駅は事実上の終着点となりました。また、2008年8月には、二硫化炭素の取り扱いが停止され、これが貨物駅としての機能を終えるきっかけとなりました。このように、駅の機能は徐々に縮小し、2022年には乙女坂駅と統合される形で廃止される運びとなりました。

駅構造

猿岩駅の構造は、貨物駅としての機能がほとんど存在しなかったと言えるでしょう。駅には側線と本線との交差点があり、機関車が折り返すための機能が主でした。そのため、駅というよりは信号場の役割を果たしていたと考えられます。過去には本線に加えて2本の側線が存在していましたが、2000年頃までに清水工業からドロマイトが積み込まれる専用の設備があったものの、現在はその施設は残っていません。

取扱貨物

猿岩駅では、かつてタンク車を用いた貨物輸送があり、大垣市内のフタムラ化学向けの二硫化炭素が運ばれていましたが、2008年に運用が終了しました。実際には、当駅にはタンク車が入線することはなく、運用末期には美濃赤坂駅からタンクローリー車で運搬されていました。このように、猿岩駅の貨物輸送は、他の駅との連携によって成立していたため、代行輸送の形を取っていました。また、河合石灰工業からの石灰石の発送も行われていましたが、2003年までにその運用が終了しています。

駅周辺

猿岩駅周辺には、河合石灰工業や上田石灰製造、清水工業など、関連する工業施設が立地しています。また、国道417号や杭瀬川が近くに流れ、地域の交通にも寄与しています。

隣の駅

西濃鉄道の市橋線では、猿岩駅の隣に乙女坂駅がありますが、猿岩駅より先に位置する市橋駅は2006年に廃止されました。

このように、猿岩駅は西濃鉄道の歴史の一部を担いながら、その運用が徐々に終了した駅であり、今ではその痕跡はあまり残っていません。しかし、地域の発展に寄与した駅であったことは間違いありません。

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