西濃鉄道

西濃鉄道株式会社の紹介

西濃鉄道株式会社（せいのうてつどう）は、岐阜県大垣市で貨物鉄道を運営している企業です。会社の本社は大垣市の赤坂町に位置しています。西濃鉄道は、地域の鉱産物である石灰石の輸送を担っており、特に金生山からの輸送が重要な役割を果たしています。

概要と運営

西濃鉄道は、美濃赤坂線の終点である美濃赤坂駅を起点とする市橋線を保持しています。かつては市橋線と昼飯線の2路線を有していましたが、2006年に昼飯線は廃止され、現在は市橋線のみが運行されています。また、西濃鉄道は第三セクター鉄道会社である樽見鉄道の筆頭株主で、51%の出資をしています。

会社名の「西濃」は、地域名に由来しています。同じくこの地域で運営されているセイノーグループ（西濃運輸）とは異なり、西濃鉄道は独自の資本と運営形態を持っています。2024年の時点で、保有している営業キロは1.3 kmと、日本の普通鉄道事業者の中で最短の路線を有しています。

樽見鉄道への経営参加

1984年、西濃鉄道は国鉄樽見線が第三セクターに移行する際に51%の出資を行い、樽見鉄道を設立しました。当時、地元自治体や主要荷主である住友セメントは鉄道営業のノウハウが不足しており、名古屋鉄道や近畿日本鉄道への参加打診が成立しなかったため、西濃鉄道が運営に加わることになりました。西濃鉄道は貨物専業ではありますが、当時の代表取締役社長は国鉄での旅客運営に携わった経験があり、事業の多角化を図りたい意向もあったため、経営参加を決定しました。現在も筆頭株主として樽見鉄道の運営を支持しています。

歴史

歴史的に見ると、金生山の石灰石は、かつて馬車や水運によって輸送されていましたが、輸送能力の限界を迎え、1928年に市橋線と昼飯線が開業しました。この時期からの輸送手段の変更は、地域の経済に大きな影響を与えるものでした。

• - 1927年（昭和2年）：会社設立。
• - 1928年（昭和3年）：市橋線、昼飯線が開業。貨物営業のみ。
• - 1930年（昭和5年）：市橋線で旅客営業を開始。
• - 1945年（昭和20年）：旅客営業廃止。
• - 2006年（平成18年）：昼飯線が廃止。

このようにして、歴史の中で数度の変遷を経てきました。市橋線は現在も石灰石の輸送を行っており、一部区間は有名な撮影スポットにもなっています。

現在の運行と車両

西濃鉄道が現在運行している市橋線は、総延長2.0 km、営業キロ1.3 kmで、美濃赤坂駅と乙女坂駅間を結びます。駅構内の美濃赤坂駅は、蒸気機関車時代の名残を漂わせる一方、現在の車両も充実しています。現有するディーゼル機関車や新車DD45型は、性能面でも優れています。

不祥事

ただし、西濃鉄道は、保安面においても課題を抱えていました。2021年には中部運輸局による保安監査が行われ、数多くの問題点が指摘されました。具体的には、適切な運転ルールが守られていないことや、必要な検査が実施されていないことが発覚しました。このため、改善の指示が出され、安全管理体制の強化が求められました。

終わりに

西濃鉄道は、長い歴史を有する企業であり、地域社会にとって重要な役割を果たし続けています。今後も地域の発展とともに、より信頼される鉄道事業者として成長していくことが期待されます。また、運営する喫茶店「西鉄サロン いろは珈琲」も、地域住民や観光客に愛され続ける存在でありたいと願っています。

もう一度検索