赤穴城

赤穴城（あかなじょう）

赤穴城、または瀬戸山城として知られるこの城は、島根県飯石郡飯南町下赤名に位置し、かつての日本の城の一つです。別名として衣掛城や藤釣城があり、豊かな歴史的背景を持つ場所でもあります。

概要

この城は、赤穴荘の地頭として名を馳せた赤穴氏によって築かれ、主に備後・石見・出雲の三国境にあたる683メートルの山頂にその姿を佇ませています。尼子氏の時代には、重要な城として認識され、尼子十旗の一つに加えられるほどでした。

構造

赤穴城は、武名ヶ平山から延びる尾根の先端に位置し、深い堀切によってその城域が守られています。その主郭は城の最高所に設けられ、南には二つの郭が広がっており、これらにはなお石垣が残っているため、その別々の特徴を見ることができます。さらに、山頂部の郭と東端には虎口が設けられ、虎口付近には櫓台も存在します。この中心部は総石垣で構成され、一部の資料ではここに天守閣が存在したとも伝えられていますが、主郭の面積が狭いため、実際には櫓程度の構築が限界であったと考えられます。

1542年、天文11年に大内義隆によって攻撃を受け、2ヶ月の攻防戦の末に落城しましたが、これ以前には数々の攻撃を耐え、「雲南随一の堅城」として知られていました。元和の一国一城令により破却され、その後1637年の島原の乱により再び破壊されたという記録があります。

その他の遺構

山麓へと続く尾根筋には、小さな郭群が点在し、堀切によって守られている様子が見られます。この主郭部は堀尾氏による手が加えられていますが、小郭群は場合によっては赤穴氏の時代の遺構を保持している可能性が指摘されています。また、山麓に降ると削平地が残存しており、赤名小学校の近くには居館があったと言われていますが、その遺構は現在では多くが失われています。

歴史的な沿革

赤穴城は、永和3年（1377年）に赤穴荘の地頭職に任じられた赤穴常連の手によって築かれました。1542年の大内義隆の攻撃で落城し、その後も歴史の中で重要な役割を果たしました。永禄5年（1562年）には、毛利氏の出雲侵攻により、赤穴盛清が毛利氏に降伏。1600年の関ヶ原の戦いを経て、毛利氏が減封されると赤穴氏も同様に移行し、松田吉久がその後に城を支配しました。そして1715年の一国一城令により、赤穴城は破却されたと見られています。

関連項目

この城の歴史は、尼子十旗や近隣の白鹿城、三沢城など、他の城と密接な関係を有しています。現在も赤穴城のエリアには、その昔の名残を感じさせる遺構が存在しており、訪れる人々に当時の歴史を伝えています。

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