赤阪清隆

赤阪清隆：国際舞台で活躍した日本の外交官

赤阪清隆（あかさか きよたか）は、1948年8月24日生まれの日本の外交官です。現在は公益財団法人フォーリン・プレスセンターの理事長を務めています。特に、国際連合の広報担当事務次長としての活躍が知られており、国際社会における日本のプレゼンス向上に大きく貢献しました。

国際連合での活躍

2007年2月、赤阪氏は潘基文国際連合事務総長によって広報担当事務次長に指名されました。この役職では、広報局のトップとして、情報戦略、コミュニケーション、ニュース、メディア対応、アウトリーチ活動、情報管理、そして国連ダグ・ハマーショルド図書館など、多岐にわたる活動を統括しました。世界各地にある国連広報センターの運営にも責任を持ち、国際連合の活動を世界に広く伝える重要な役割を果たしました。

外務省入省から国際機関へ

大阪府出身の赤阪氏は、大阪府立富田林高等学校を卒業後、京都大学に進学。1971年3月に京都大学法学部を卒業し、翌4月に外務省に入省しました。その後、様々な役職を歴任し、国際舞台での活躍の足掛かりを築きました。

外務省では、在マレーシア日本国大使館一等書記官、ジュネーヴ国際機関日本政府代表部一等書記官、参事官などを務めました。また、関税及び貿易に関する一般協定（GATT）事務局や世界保健機関（WHO）事務局にも勤務し、国際的な視点と専門知識を磨きました。

OECD事務次長としての貢献

2003年8月には、経済協力開発機構（OECD）事務局の事務次長に就任し、2007年まで務めました。この間、開発、環境、持続可能な開発目標（SDGs）など、地球規模の課題解決に向けた取り組みを推進しました。国際機関との連携を強化し、持続可能な開発のための国際協力を促進しました。

その他の役職と活動

赤阪氏は、1997年から2000年まで、大臣官房外務参事官兼総合外交政策局国際社会協力部として、気候変動枠組条約締約国会議での京都議定書に関する運用ルール策定にも携わりました。また、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで経済学修士号を取得するなど、学術的な背景も持ち合わせています。

日本の国際機関への貢献への提言

赤阪氏は、日本人が国際機関のトップを務めることの重要性を訴えています。特に、2019年に国際原子力機関（IAEA）事務局長の天野之弥氏が亡くなって以降、日本人の国際機関トップ不在の状態を憂慮しています。かつて中嶋宏氏がWHO事務局長を務めた時代を例に挙げ、日本が再び国際機関のトップを目指すべきだと主張しています。また、中国が国際機関への進出を強めている現状を踏まえ、日本政府が戦略的に国際機関への人材育成と派遣に取り組む必要性を指摘しています。

著作と発表

赤阪氏は、共著として『The GATT and the Uruguay Round Negotiations』や『The Cartagena Protocol on Biosafety』などがあります。また、雑誌や新聞に貿易、環境、持続可能な開発に関する論文を多数発表しており、幅広い分野での専門知識と見識を示しています。

同期入省者

赤阪氏と同期で外務省に入省した人物には、海老原紳（元駐イギリス大使）、橋本逸男（元駐ブルネイ大使）、須田明夫（元軍縮会議日本政府代表部大使）などがいます。

まとめ

赤阪清隆氏は、長年にわたり外交官として、そして国際機関の幹部として、世界の平和と発展に貢献してきました。その豊富な経験と知識は、今後の国際社会における日本の役割を考える上で、重要な示唆を与えてくれます。

赤阪氏の経歴は、国際社会における日本のプレゼンスを向上させ、国際協力の推進に大きく貢献した一例と言えるでしょう。

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