赤須氏

赤須氏の系譜と歴史

赤須氏は日本の古代から存在する氏族で、様々な流派があり、それぞれに独自の歴史があります。特に常陸国に本姓を藤原氏とする赤須氏は、その起源において興味深い伝承を持っています。

藤姓赤須氏の起源

常陸国の赤須氏は、藤原秀郷の五世孫にあたる太田大夫通延の子、佐都荒大夫通成の三男彦四郎通頼によって創設されたとされています。彼は久慈郡赤須村に住み、赤須城の主として、また佐都神社の長官を務めました。彼らの家系は守護の佐竹氏や同族の小野崎氏に仕官しており、戦国時代や南北朝期においても重要な役割を果たしました。

南北朝時代には、佐竹貞義が北朝側について戦った際、赤須信濃守通長が佐竹軍の殿軍として活躍し、その功績により25貫の加増を受けました。また、戦国期には赤須丹後守が佐竹家臣として多くの戦に参加し、名を馳せました。特に天正18年には義重から350貫を授かるなど、彼らの家族は歴史に名を残しています。

久保田藩の赤須氏

赤須氏は佐竹氏の秋田転封に随行した家系があり、これが三つの流派に分かれました。

赤須景通流

この系譜は数々の文書から確認され、赤須景通が祖となり、賢通、恭通、常通、清通、安通と続きます。また、平馬通賢という名も見られます。

赤須通長流

赤須通長流は通為の代に秋田に下向し、その系譜には通長、通為、通定、通安、市右衛門通良が含まれています。

赤須通脩流

赤須通脩流は通国が佐竹義重に随行し、後に秋田城下に住むようになります。この家系の系譜には通脩、通清、通兼、通国、通種、治部助高通が含まれています。これらの系統が形成されることで、赤須氏はその時代を担う重要な族になりました。

水戸藩における赤須氏の尊王志士

赤須氏からも水戸藩士として活動した者がいます。例えば、赤須民次郎は目付同心組に属し、天狗党の乱に参加した後に斬首され、靖国神社に合祀されています。また、赤須隆三郎は佐都神社の宮司から尊王方として戦いに身を投じ、討ち死にしました。

清和源氏満快流赤須氏

信濃国においては、清和源氏満快流に起源を持つ赤須氏も存在します。これは片切氏の庶族から派生し、戦国時代には国衆として活躍し、赤須城の城主でもありました。武田信玄に属し、彼らの存在は信濃の歴史にも影響を与えました。特に、赤須氏は飯嶋氏や大嶋氏と共に「春近五人衆」として知られ、地域の重要な存在でした。

阿智祝部系赤須氏

古代氏族である阿智祝部の支族にも赤須氏があります。片切里の八玉彦の子孫にあたります。大御食神社の社家として神職を担い、他の氏族とも婚姻関係を結んでいました。後裔には長岡氏、川野氏、稲部氏、小出氏などがいます。

このように、赤須氏は日本の歴史においてさまざまな形でその存在を示してきました。武士の家系だけでなく、神職や地域の支配者としての役割も果たし、今なおその名は語り継がれています。

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