趙明禄

趙 明禄（チョ・ミョンロク）

趙明禄（1928年7月12日 - 2010年11月6日）は、朝鮮民主主義人民共和国における重要な軍人兼政治家である。彼は韓国の軍や政治の歴史において、特に軍事面での影響力を持ち、さまざまな役職を歴任した。趙の最終階級は次帥であり、国防委員会の第一副委員長を始め、朝鮮人民軍の総政治局長や朝鮮労働党政治局常務委員などを務めた。

出身と若き日の活躍

趙明禄は中華民国の吉林省延吉に生まれ、少年期から政治活動に参加するようになった。特に金日成の抗日パルチザン部隊に少年兵として参加し、その後の朝鮮民主主義人民共和国において重要な役割を果たした。彼は金正日の信任を受け、その軍事的背景から増大する影響力を持つようになった。また、「先軍政治」の推進においても、趙は重要な立場にあった。

軍事的業績

朝鮮人民軍空軍の出身である趙は、空軍の要職を数多く歴任し、1975年には反航空部司令官に任命され、その後1980年には労働党中央委員、1986年には人民軍の総政治局局長に就任するなど、軍事面での重要な地位を占めた。特に1992年の北朝鮮クーデター陰謀事件では、彼の介入により数名の空軍将校が粛清から守られた経歴がある。

外交活動と晩年

2000年には金正日の特使としてアメリカを訪問した際、ベトナム戦争に関連する勲章を身に付けており、その姿が同席者を驚かせる一幕もあった。彼の晩年は健康問題に苦しむことが多く、フランス・パリの病院で治療を受けることもあった。軍事パレードでは常に金正日の右隣に位置していたが、2010年の朝鮮労働党代表者会議や軍事パレードには姿を見せなかった。

最期と国葬

2010年11月6日、趙は心臓病により82歳で亡くなった。彼の葬儀は異例の扱いを受け、国葬では金正日自らが葬儀委員長に就任し、100名を越える葬儀委員が揃うなど特別な対応が取られた。このように、趙明禄は朝鮮民主主義人民共和国の軍人・政治家として多大な影響を残し、その生涯はさまざまなエピソードで彩られている。

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