足利家氏

足利家氏について

足利家氏（あしかが いえうじ、生没年不明）は、鎌倉時代中期に活動した御家人であり、足利泰氏の長男です。彼は足利尾張家の初代として知られ、数多くの子孫を残しました。彼の子孫の中には、斯波氏や大崎氏、最上氏、石橋氏などが含まれています。強力な一族を築き上げた彼の生涯とその影響は、後の歴史においても重要な意味を持ち続けています。

生涯の概要

家氏は、鎌倉幕府の有力な御家人だった足利泰氏と、北条家の名越朝時の娘との間に生まれました。彼の母は名越流北条氏の出身であり、泰氏の正室であったため、家氏はその家系の重要な地位を引き継ぎました。このような背景から、彼の名前には「三郎」という称号がついていました。この「三郎」は、足利氏の家督継承者を示す呼称とされています。

しかし、家氏は後に泰氏が北条得宗家の女性を正室に迎えたことで、嫡子の地位を剥奪されることになりました。その嫡子となった利氏（のちの頼氏）の名義が『吾妻鏡』において家氏の名の後に記載されるようになってから、家氏の通称も「大郎（太郎）」に変わりました。これにより、家氏の立場が変化したことが明らかです。

家氏はその後も高い地位を得て、建長5年（1253年）には中務大輔に任官され、弘長元年（1261年）には検非違使・左衛門大尉としても活動しました。また、彼は将軍の供奉人としてしばしばその名を記録されています。特に弘長3年（1263年）には旬御鞠奉行に任命され、同年8月には将軍の上洛に伴う供奉人として、重要な役割を果たしました。これにより、家氏は幕府内での地位を確立し、名門としての地位も有しました。

その後の家氏に関する記録は少なくなるものの、彼の弟である頼氏が早くに亡くなったため、家氏は一門の重鎮としてその後見役を務めました。文永6年（1269年）頃まで当主の職務を代行し、事実上の惣領としてrecognizedされていました。

ス波氏の祖先

家氏はまた、斯波氏の祖ともたたえられています。彼の母方の血筋や経歴、さらには幕府内での地位から、彼の子孫は「足利の苗字を称する別家」として、特に本家に匹敵するほどの家格意識を持ち続けていたことが伺えます。特に家氏は陸奥国斯波郡を領有したことでも知られており、後に斯波家として認知されることになりましたが、家氏自身は足利姓を保持し続けました。

室町時代の初期においては、家氏の子孫である高経・義将親子らは代々足利を名乗り続け、尾張守に任官されました。これにより彼らは足利尾張守と呼ばれ、後の足利将軍家の執事や管領に就くことで、斯波氏の名を称するようになりました。彼らは室町幕府において有力守護大名としてその存在感を示したのです。

家族関係

家氏は複数の妻を持ち、様々な子女をもうけました。その中には、石橋氏の祖となる広沢義利や、大板貞数、足利宗家などが名を連ねています。これらの子孫は、家氏の名を受け継いでそれぞれの家系を築くこととなり、彼の存在が後世においても影響を及ぼすことを示しています。

官歴

家氏はその生涯において様々な役職を歴任しました。

• - 建長5年（1253年）：中務大輔
• - 弘長元年（1261年）：検非違使・左衛門大尉
• - 文永2年（1265年）：尾張守

このように、家氏は鎌倉時代の武士社会において、その地位を確立し、多大な影響を及ぼした重要な人物と言えるでしょう。

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