躍進日本大博覧会

躍進日本大博覧会

躍進日本大博覧会（やくしんにほんだいはくらんかい）は、1936年（昭和11年）に岐阜県岐阜市で行われた博覧会です。このイベントは岐阜市の主催で開催され、戦前の日本国内では最後に行われた大規模な博覧会となりました。それ以前にも岐阜市では1925年に「大正天皇銀婚式奉祝国産共進会」が開催されており、これに続く形での開催となりました。

開催期間と会場

博覧会は1936年の3月25日から5月15日までの約52日間にわたり実施されました。主要な会場は岐阜公園および長良川の河岸（現在の鵜飼い大橋から忠節橋にかけてのエリア）で、展示館はおそらく30から40館ほど存在したと考えられています。この会場では徳川家康にちなんだ沿岸の自然や文化を楽しめるイベントが盛りだくさんで、訪れた人々に地域の魅力を伝えました。

展示やイベント

博覧会では、関市に伝わる刀鍛錬の名人による刀剣製作の実演が行われました。また、長良川鵜飼も実施され、普段は夜間に行われるこの伝統的な催しが特別に昼間に行われました。地域の観光資源と近代技術を紹介する目的で、開催されたこの博覧会は、当時の国際情勢を反映し、軍事関連の啓発的な内容も含まれていました。

入場者数は193.2万人に達し、広く人々に支持されるイベントとなりましたが、残念ながら当時の資料の多くは戦後の岐阜空襲によって失われてしまいました。

展示館や施設の情報

博覧会のメイン展示は多岐にわたり、特に台湾館は注目を集めていました。その中で飼育されていたタイワンリスの一部が逃げ出し、金華山で野生化しました。1965年に設立された「金華山リス村」のリスは、この野生化したリスの子孫で、訪れる人々に楽しみを提供しています。

主会場の岐阜公園には、柴田佳石の制作による「噴水の女神像」が設置されていましたが、1942年に金属回収令によって撤去されました。現在、岐阜市歴史博物館の前には1949年に再建された二代目の像が存在します。また、展示されていた海軍大将東郷平八郎の像は、現在も六條神社に現存しています。

その後の影響

躍進日本大博覧会は、岐阜市だけでなく日本全体における地域振興や文化の発信に寄与した重要なイベントでした。例えば、1988年には「ぎふ中部未来博」や、2000年には「決戦関ヶ原大垣博」など、地域に根付いた博覧会が引き続き行われ、岐阜の観光産業や文化の発展に貢献し続けています。さらに1995年と2005年には「花フェスタ」などのイベントが行われ、国内外からの観光客を惹きつけています。

このように、躍進日本大博覧会は、岐阜市とその周辺地域の歴史と文化に今でも影響を及ぼしているものです。

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