車内誌

車内誌とは

車内誌とは、鉄道会社、バス会社、タクシー会社などの交通機関が、乗客向けに車内に備え付け、無料で配布する雑誌のことです。移動時間を快適に過ごしてもらうためのサービスとして提供されています。

鉄道の車内誌

鉄道会社では、新幹線や特急列車を中心に車内誌が置かれることがあります。JR各社では、以下のような車内誌が発行されていました。

『トランヴェール』（JR東日本）：東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線などに搭載。「緑の列車」という意味のフランス語が誌名になっています。
『西Navi 北陸』/『西Navi』（JR西日本）：北陸新幹線E7系・W7系車内に搭載。沿線情報のフリーペーパーとして主要駅でも配布されています。
『Please』（JR九州）：山陽・九州新幹線や特急列車に搭載されていましたが、2020年5月号で休刊しました。
『The JR Hokkaido』（JR北海道）：特急列車などに搭載。北海道新幹線には搭載されていません。

私鉄でも、小田急電鉄の『るるぶFREE ロマンスカー箱根・小田原』『るるぶFREE ロマンスカーMELLODA』や、東武鉄道の『るるぶFREE スペーシア日光・鬼怒川温泉・浅草』など、『るるぶ』シリーズの車内誌が見られます。近畿日本鉄道の『近鉄ニュース』は主要駅での配布がメインですが、特急列車にも搭載されることがあります。

市販誌の活用

JR東海系の『Wedge』は、市販もされていますが、東海道・山陽新幹線のグリーン車で無料配布されており、実質的に車内誌の代替品として機能しています。

アジア・ヨーロッパ・アメリカの車内誌

海外に目を向けると、韓国の『KTX MAGAZINE』、台湾の『T Life』、ユーロスターの『Metropolitan』、ドイツ鉄道の『DB Mobil』、オーストリア連邦鉄道の『Railaxed』など、様々な車内誌が存在します。かつてはフランスの『TGV magazine』、スイスの『via』なども発行されていましたが、残念ながら休刊となっています。

アメリカでは、アムトラックが『The National』という車内誌を発行しています。旅行記や企業紹介、詩、芸術写真などが掲載されており、オンラインでも閲覧可能です。

バスの車内誌

バス会社でも、東京空港交通の『Via』、一畑バスの『SUKI』、西日本鉄道の『天神情報マガジン ep.』など、独自の車内誌を発行していました。

タクシーの車内誌

阪急タクシーでは、『フロントガラスの向こう側。』という車内広報誌を発行しています。

近年の動向

近年では、経費削減や乗客の嗜好の変化などから、車内誌の休刊が相次いでいます。しかし、車内誌は、その地域ならではの情報や、移動時間を有意義に過ごすための読み物として、長年親しまれてきました。今後の車内誌がどのような形で展開されていくのか、注目されます。

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