車輪配置 4-4-0

4-4-0型機関車の概要

4-4-0型機関車は、2軸の先輪と2軸の動輪から成る特有の車輪配置で、ホワイト式分類においても同じく4-4-0と表記されます。この形式は、アメリカン鉄道分類の愛称として「アメリカン」とも呼ばれ、19世紀の鉄道運行において貨客両用の機関車として広く普及しました。

歴史の始まり

この車輪配置は、ジョン・ジャービスが開発した4-2-0型機関車の動輪数を増やしたもので、カーブを安定して通過できる特性があります。4-2-0型機関車は、2軸の先台車が重心を下げて安定性を向上させ、上り坂では動輪の軸重が増加するためスリップしにくくなる利点があります。それに加えて、動輪の数を増やすことで牽引力を強化し、1840年から1880年の間にアメリカの鉄道に対するさまざまなニーズに応じた結果、特に米国では支持を得ました。

技術の進化

4-4-0型の開発は1836年、ヘンリー・R・キャンベルによる特許取得から始まりますが、この時の設計には5点支持方式が採用されており、脱線のリスクが存在しました。その後、ジョセフ・ハリソンが改良を加え、三点支持方式を採用したイコライザーを開発。これにより、機関車の安定性が向上しました。この革新は、その後の鉄道の技術革新の基礎となりました。

衰退と新たな用途

1870年代に入ると、輸送量の増加が進み、4-4-0型は火室の大型化が難しいために力不足とされました。20世紀に入ると、多くの4-4-0型機関車が老朽化し、運用を終了しました。しかし、イギリスのスクールズ級のように、特定の条件下で新たに製造された例もあります。これらの機関車は、車両限界が小さい路線での高速列車として利用されました。

文化的な影響

4-4-0型機関車は、西部劇などの映画や文化において頻繁に登場しますが、その実際の製造された機関車は現在、米国内には数台しか存在しません。一部はレプリカとして保存されており、特に有名な例としては、セントラル・パシフィック鉄道の「ジュピター」や、ユニオン・パシフィック鉄道の「119号蒸気機関車」などがあります。これらの機関車は、イベントの際に展示されることがあります。

各国の4-4-0型機関車の例

イギリス

• - グレート・ウェスタン鉄道3700形蒸気機関車
• - サザン鉄道V形蒸気機関車（スクールズ級）
• - ファーネス鉄道K2形蒸気機関車

アメリカ合衆国

• - ジュピター（大陸横断鉄道の完成式典に使用された機関車）
• - ユニオン・パシフィック鉄道119号蒸気機関車

日本

• - 国鉄5130形蒸気機関車
• - 国鉄5160形蒸気機関車
• - 国鉄5500形蒸気機関車
• - 国鉄5830形蒸気機関車
• - 国鉄6200形蒸気機関車
• - 国鉄6500形蒸気機関車
• - 国鉄6760形蒸気機関車

4-4-0型機関車は、そのユニークな設計と歴史的意義から、今も多くの人々に愛され続けています。

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