軍艦奉行

軍艦奉行（ぐんかんぶぎょう）

軍艦奉行とは、江戸時代末期の幕末に江戸幕府によって設置された役職です。安政6年（1859年）に設置され、幕府海軍の運営を統括する重要な役割を担いました。その主な任務は、軍艦の製造・購入、そして操練技術者の育成でした。

役割

軍艦奉行は、幕府海軍の近代化を推し進める上で中心的な役割を果たしました。具体的には、以下の業務を管轄していました。

軍艦の製造と購入: 国内での軍艦建造や、海外からの購入を計画・実行しました。
操練技術者の育成: 海軍士官や水兵の訓練を行い、技術向上を図りました。
海軍運営: 海軍全体の組織運営、人事管理を行いました。

咸臨丸の派遣

万延元年（1860年）には、軍艦奉行の管轄下で咸臨丸が太平洋を横断し、アメリカに派遣されました。この派遣は、日本の海軍力を世界に示すとともに、国際的な交流を深める上で重要な出来事でした。

歴代の軍艦奉行

以下は、軍艦奉行を務めた人物とその在任期間です。複数回任命された人物もいます。

永井尚志（1859年）
水野忠徳（1859年）
井上清直（1859年 - 1862年）
木村喜毅（1859年 - 1863年、1867年 - 1868年）
内田正徳（1862年 - 1863年）
松平乗原（1863年）
勝海舟（1864年、1866年 - 1868年）
堀利孟（1864年）
小栗忠順（1864年 - 1865年）
木下利義（伊澤謹吾）（1865年 - 1867年）
石野則常（1865年 - 1866年）
岡部長常（1865年）
藤沢次謙（1866年 - 1867年）
赤松範静（1867年 - 1868年）

これらの人物は、それぞれの時代において、日本の海軍近代化のために尽力しました。

まとめ

軍艦奉行は、幕末の激動期において、日本の海軍力を強化するために不可欠な役割を果たしました。その活動は、後の日本の海軍発展に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考資料

高橋典幸他著『日本軍事史』吉川弘文館、2006年。ISBN 978-4642079532

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