軽井沢ユニオンチャーチ

軽井沢ユニオンチャーチについて

軽井沢ユニオンチャーチは、長野県北佐久郡の軽井沢町に位置する超教派の教会堂です。この教会は明治30年、1897年に『軽井沢合同基督教会』として設立されました。元々は、アプト式鉄道の外国人鉄道技師たちのためのクラブハウスとして使用されていた建物を改装したと伝えられています。Biggs中尉とウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計によって、1918年には現在の素晴らしい建物が完成しました。

この教会は設立以来、様々な活動の拠点として利用されてきました。集会や音楽会、日本語学校など、多くのイベントが開催されており、特に戦前の夏季には、軽井沢避暑団によって「チューズデイ・コンサート」と呼ばれる音楽会が毎週火曜日に開かれていました。このコンサートが行われる通りは、「オーディトリアム通り」と名付けられるほど、地域の文化的なシンボルとなっています。

1930年に発行されたジャパンタイムズ紙の記録によれば、この教会では8月にコミュニティコンサートが3回行われていました。このコンサートには、日本人と外国人の演奏者がほぼ半々で参加し、多くは別荘を所有していた人々であったとされています。特に子供たちに演奏の機会が与えられ、コミュニティ全体で音楽を楽しんでいました。

演奏者には、イギリス国教会の宣教師ジョン・ロスコーとその家族、朝吹四兄弟、堀田伯爵など、名だたる音楽家たちが名を連ねています。また、演奏曲目にはベートーヴェン、リスト、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、ラフマニノフ、シベリウスなど、クラシック音楽の巨匠たちの作品が並び、質の高い演奏が行われていました。さらには、ボアルネ家やロイヒテンベルク公爵家の令嬢が演奏を披露したり、のちにアカデミー賞を受賞することになるオリヴィア・デ・ハヴィランドとジョーン・フォンテイン姉妹が歌う姿もありました。

現在でも、軽井沢ユニオンチャーチは多くの外国人を惹きつける場所となっています。特に夏のシーズンには、その歴史的な魅力から訪れる人々で賑わいます。また、近隣には『軽井沢会テニスコート』や『軽井沢会集会堂』など、戦前の軽井沢の雰囲気を今に伝える歴史的建物が点在しており、訪れる人々にその時代の趣を感じさせています。

このように、軽井沢ユニオンチャーチは、ただの教会にとどまらず、地域の文化やコミュニティに深い影響を与え続けている重要な存在です。

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