集会

集会の概要

集会（しゅうえ）とは、中世の日本において寺院内で僧侶が集まり、合議を行う自治機関を指します。これには寺院集会や僧侶集会とも呼ばれる形態があり、様々な意思決定がここで行われました。仏教の教義においても、信者や僧侶達が一緒に大切な事項を決める姿勢が示されています。日本において、この合議制度は仏教と共に伝えられました。

しかし、古代日本では、国家による制度が寺院や僧侶の活動を統制していました。このため、本格的な合議としての集会機能が見られるのは、平安時代後期以降のことです。この時期は、国家の統制が形骸化し、寺院が権力の拠点としての地位を確立していた時代でもありました。

様々な集会の形態

集会は、所属する寺院の構成や僧侶達の集団の性質によって異なります。代表的なものとしては、寺院全体の構成員を集めた「満寺集会」があり、その一方で、特定の院家や社会的な階層に基づいて構成される集会も存在します。

どの集会形態であっても、参加者は「多分の理」や「多分の評定」などと呼ばれる無記名投票の原理に基づいて意思決定を行います。これは、僧伽の理念「一味和合」に根ざし、派閥や意見の違いを超えた合意を重視します。集会に出席する資格を持つ僧侶は、法会への参加と同様、義務として考えられ、欠席した場合には正当な理由がない限り処罰を受けることがありました。

決議が行われると、それは出席者を拘束し、寺院法の法源としての機能を果たします。場合によっては、この決定が荘園にまでも影響を及ぼすことがあり、法的有効性を高めるために起請文や一味神水を用いた儀式が行われることもありました。特に、寺院が重要な決定を下す際には、集会による決議が必要不可欠とされました。また、強訴ような直接的行動を起こす際にも、先に集会の決議がなされていました。

集会の衰退と意義

その後、荘園制度の崩壊や統一政権の成立により、寺院の自治機能は徐々に解体されていきました。近世においては、集会は寺院内のさまざまな評議機関の一部として機能するようになりました。しかし、このような寺院での集会そのものが、日本の前近代における自治制度の立ち上げに寄与したと考えられています。特に、「○○衆」と呼ばれる組織や町や村の自治組織とも結びついています。

参考文献

• - 竹居明男「集会」『平安時代史事典』
• - 清田義英「寺院集会」『国史大辞典 7』
• - 久野修義「寺院集会」『日本歴史大事典 2』

関連項目

• - 僧伽
• - 大衆 (仏教)

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