辻邦助

辻邦助（つじ くにすけ）

辻邦助は、1884年（明治17年）に生まれ、1959年（昭和34年）に没した大日本帝国陸軍の軍人です。最終階級は陸軍中将で、功三級を授与されています。

経歴

和歌山県出身の辻は、陸軍士官学校第17期を卒業後、陸軍の道を歩みます。

1930年（昭和5年）8月：陸軍航空兵大佐に進級し、所沢陸軍飛行学校研究部主事に就任。航空研究の分野で重要な役割を担いました。
1931年（昭和6年）8月：飛行第5連隊長に転任。部隊長として、航空戦力の育成・強化に尽力します。
1932年（昭和7年）6月：飛行第10大隊長（関東軍飛行隊）に就任。満洲事変に出動し、主に偵察任務に従事しました。この経験は、その後の航空戦略に大きな影響を与えたと考えられます。
1933年（昭和8年）12月：陸軍航空本部附となり、陸軍航空本部補給部立川支部長に就任。航空戦力の維持・発展に不可欠な補給面を支えました。
1935年（昭和10年）8月：陸軍少将に進級すると同時に所沢陸軍飛行学校幹事に着任。次世代の航空兵育成に貢献します。
1936年（昭和11年）8月：陸軍航空技術学校長に就任。航空技術の向上と人材育成に尽力しました。航空技術学校長として、日本の航空技術の発展に大きく寄与しました。
1938年（昭和13年）7月：陸軍中将に進級。
1938年（昭和13年）7月27日：予備役に編入。
1947年（昭和22年）11月28日：公職追放仮指定を受けました。

栄典

位階
1938年（昭和13年）8月24日 - 正四位
勲章等
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

人物像

辻邦助は、陸軍航空の黎明期から発展期にかけて、その中心的な役割を担った人物です。パイロットの育成はもとより、航空技術の向上、航空戦術の研究など、多岐にわたる分野で貢献しました。満洲事変への出動経験から、実戦における航空戦力の重要性を認識し、その後の航空戦略に反映させていったと考えられています。

所沢陸軍飛行学校や陸軍航空技術学校といった教育機関で長きにわたり幹部を務めたことは、後進の育成に力を注いだ証左と言えるでしょう。辻邦助の功績は、日本の航空戦力の発展に大きく貢献しただけでなく、その後の航空技術・戦術の進歩にも影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

福川秀樹 編著『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。ISBN 4829502738。
* 外山操 編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。ISBN 4829500026。

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