辻順治

辻順治（つじ じゅんじ）

辻順治は、1882年（明治15年）7月1日に生まれ、1945年（昭和20年）4月13日に没した、日本の作曲家です。明治から昭和時代戦前にかけて活動し、陸軍戸山学校軍楽隊の第11代楽長を務めました。現在の山形県鶴岡市出身です。

来歴

1882年（明治15年）、山形県西田川郡鶴岡町（現在の鶴岡市）で、旧大泉藩藩士である辻吉貞の長男として生まれました。大山尋常高等小学校を卒業後、同校の臨時教員を経て授業傭となりました。1899年（明治32年）に教員を辞職し、翌1900年（明治33年）に陸軍戸山学校へ入隊しました。

1910年（明治43年）には、選抜によりイギリスへ派遣された陸軍軍楽隊員の一員として、3月から12月までイギリスに滞在し、テナー・サクソフォーンの演奏を担当しました。1927年（昭和2年）5月8日には、第11代軍楽隊楽長に任命され、1932年（昭和7年）7月1日付で定年退官しました。

退官後は、日本ポリドール吹込部長に転身し、後にビクターレコードへ移籍して洋楽部長を務めました。1945年（昭和20年）4月13日に死去。享年64歳（満62歳没）。墓所は郷里の鶴岡にある本鏡寺にあります。

作品

辻順治は、軍歌、校歌、自治体歌など、多岐にわたるジャンルの作品を手がけました。

軍歌

爆弾三勇士の歌（作詞：与謝野鉄幹、1932年） - 大沼哲（軍楽隊楽長補）との合作
進軍（作詞：児玉花外、1933年）
工兵の歌（作詞：陸士第52期生合作、1937年）
上海派遣軍の歌（作詞：上海派遣軍司令部、1938年）
愛国機（作詞：佐藤惣之助、1943年）

校歌

山形県立庄内農業高等学校校歌（作詞：土井晩翠）
旧鶴岡市立加茂小学校校歌（作詞：斎藤重盛）

自治体歌

初代鶴岡市民歌（作詞：沢谷長太郎、1933年）
酒田行進曲（作詞：山口喜市、1933年）

その他

標準軍歌集（野ばら社、1941年） - 今村嘉悦との共著

参考文献

『現代日本名士録』昭和7年版（よろづ案内社、1932年）
『レコード音楽技芸家銘鑑』（レコード世界社、1940年）

関連項目

* 山形県出身の人物一覧

もう一度検索