近藤周助

近藤周助は、江戸時代末期に活躍した剣豪であり、天然理心流剣術の第三代目宗家として知られています。新選組局長として有名な近藤勇の養父でもあります。

寛政4年（1792年）、武蔵国多摩郡小山村の名主である嶋崎高友の五男として生まれました。幼名は関五郎、後に周平、そして周斎と名乗りました。諱は邦武です。文化8年（1811年）に天然理心流剣術二代目宗家である近藤三助に入門し、剣術を学びました。天保元年（1830年）には流派を継承し、近藤の姓を名乗るようになりました。しかし、周助が剣術の免許を得たのは三助が亡くなってから11年後のことで、三助には他にも多くの高弟がいたため、周助が近藤姓を名乗った理由は不明な点が多く残されています。

天保10年（1839年）には江戸市谷に道場「試衛館」を開設しました。嘉永2年（1849年）には、後の近藤勇となる宮川勝五郎を養子に迎え、嶋崎（後に近藤）の姓を与えました。文久元年（1861年）には、宗家の座を勇に譲り隠居し、名を周斎と改めました。文久3年（1863年）、近藤勇らが浪士組として京都へ出発した後、留守中の試衛館を再開しようとしましたが、同年には中風を患い病床に伏しました。その後、佐藤彦五郎を通じて近藤勇に帰府を促しています。

慶応3年（1867年）には、近藤勇をはじめとする新選組の面々が幕臣に取り立てられましたが、その年の10月に牛込の屋敷にて病没しました。享年76歳。墓は港区金地院にあります。近藤周助は、剣術家としてだけでなく、新選組を支えた人物の養父として、その名が歴史に刻まれています。

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