近衛 (日本軍)

近衛（このえ） - 日本陸軍の象徴的部隊

近衛部隊は、1872年4月16日に創設されました。それ以前の「御親兵」を改組して、天皇を直接護衛するための部隊として設立されたもので、その当初は『近衛局』と呼ばれていました。近衛は、宮城の警備を行う役割を持ち、また、鎮台に位置する兵力の指導や訓練を担う役目もありました。

歴史的背景

近衛の設立に関する重要な日付は1872年です。この年の4月に制定された「近衛条例」により、従来の御親兵掛けは廃止され、「近衛局」が設置されました。そして、その数日後の4月24日には、天皇直属の近衛兵が創設されました。これは御親兵を改称したもので、主に宮城の警護を行う部隊でした。

その後、近衛部隊は明治六年政変の影響を受け、薩摩藩出身の兵が多く帰国する事態に直面します。これにより、近衛兵への質の高い兵員の確保が求められ、そのため鎮台兵から優秀な者を転属させる措置がとられました。また、近衛部隊は設立当初は任期が5年で、宮城警護以外の業務を基本的には行わない方針が採られていました。

しかし、西南戦争が勃発すると、この通例は変更され、近衛部隊も戦闘に動員されることになりました。こうした状況の中で、部隊の一部が不満を抱き、1878年には竹橋事件が発生しました。

近衛部隊の役割と組織

1880年に改正された「近衛条例」では、近衛兵は基本的に天皇の輦下を護衛する役割を担うことが再確認されました。指揮官である近衛都督は、兵の模範となることが求められ、隊員は武士道や信義を重んじることが強調されました。部隊自体は歩兵2連隊、騎兵1中隊、砲兵1大隊などから構成され、守衛隊は主に歩兵で編成されました。

1885年には、近衛局が正式に「近衛」と改称され、その後1890年には「近衛司令部条例」が制定されました。これにより、近衛都督の職務権限は師団長に準じたものとなり、1891年に鎮台が「師団」に改名される際に、近衛師団も新たに組織されました。

歴代の近衛都督

近衛部隊の指導者には、山縣有朋、中将や西郷隆盛、さらには小松宮彰仁親王など、歴史的に著名な軍人が名を連ねています。このような重要な人物たちが近衛を指揮し、当時の日本の軍事体制に大きな影響を及ぼしました。

近衛部隊は、日本陸軍の中でも特別な役割を持っていたため、今もなおその歴史は多くの人々に脈々と受け継がれています。彼らの任務は単なる軍事行動にとどまらず、国の象徴である天皇を守る重要な役割でもあったのです。

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