近衛尚子

近衛 尚子の生涯

近衛尚子（このえ ひさこ）は、1702年4月5日に生まれ、1720年2月27日に短い生涯を終えた江戸時代の女御である。彼女は中御門天皇の妻であり、桜町天皇の母として語り継がれている。彼女の女院号は新中和門院であり、歴史上重要な役割を果たした人物である。

家族背景

尚子は、摂政関白太政大臣である近衛家熙の娘で、母親は権中納言町尻兼量の娘である町尻量子である。彼女には異母兄が一人おり、近衛家久がその人であった。入内に際して、尚子は正室の近衛熙子の伯母にあたるため、江戸幕府第6代将軍である徳川家宣の猶子となる運命にあった。

入内までの経緯

尚子の入内は、当初は家宣の嫡男である鍋松（後に第7代将軍徳川家継）との婚約が進められていた。しかし、熙子・家熙兄弟は尚子が鍋松よりも7歳も年上であることから、この婚約が不釣り合いであるとの懸念を抱くようになった。そこで家族は尚子の入内を計画し、天皇の祖父である霊元上皇もこの計画に賛同した。この結果、正徳2年の10月7日に尚子の入内が決定した。

女御宣下と母となる運命

享保元年の11月13日、尚子は中御門天皇に入内し、女御として宣下を受ける。この時、彼女はまだ若い女性であった。享保5年の1月1日、尚子は第一皇子となる昭仁親王を出産するが、難産のため産後の健康が悪化し、残念ながら同年の1月20日に19歳という若さでこの世を去った。

彼女の追贈と影響

尚子の死後、同日中に准三后及び女院号が追贈され、その後月輪陵（京都府京都市東山区）に葬られた。さらに、享保13年6月には皇太后の称号も追贈され、同年11月には彼女が出産した昭仁親王が正式に皇太子に任命された。このような経歴からも、尚子の存在が皇室に与えた影響は計り知れないものであった。彼女は歴史においても重要な女性として位置づけられている。

近衛尚子の生涯は、短いものであったが、多くの称号を得て、多くの人に記憶され続けている。彼女の物語は、江戸時代の女性の役割や皇室の歴史を知るための貴重な資料である。

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