近衛歩兵第3連隊

近衛歩兵第3連隊について

近衛歩兵第3連隊は、大日本帝国陸軍の精鋭部隊である近衛師団に所属した歩兵連隊の一つです。1885年（明治18年）に編成され、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争といった数々の戦役に参加し、その歴史に名を刻みました。この連隊は、日本の軍事史において重要な役割を果たした部隊の一つと言えるでしょう。

連隊の沿革

1885年（明治18年）: 7月10日、第1大隊と第2大隊の編成が完了しました。同年10月27日には、日比谷練兵所にて軍旗が授与され、正式に連隊としての活動を開始しました。
1891年（明治24年）: 近衛師団が創設され、本連隊もその傘下に入りました。
1893年（明治26年）: 兵営が霞が関から赤坂一ツ木（現在の赤坂サカス）に移転しました。
1894年（明治27年）: 日清戦争に従軍し、台湾平定作戦に参加しました。
1904年（明治37年）: 日露戦争において動員命令を受け、主要な会戦に参加しました。特に遼陽会戦では、第1大隊長の三好兵介少佐以下637名もの死傷者を出す激戦を経験しましたが、奉天会戦では敵軍を潰乱させ、軍旗を鹵獲するなどの戦果を挙げました。
1936年（昭和11年）: 二・二六事件が発生し、鎮圧に動員されました。
1940年（昭和15年）: 動員下令を受け、漢口作戦や広東作戦に参加しました。広東省中山県に駐留中、馬匹編制から自動車編制に変わり、自動車約80台と自転車3000台からなる部隊となりました。
1942年（昭和17年）: 仏印サイゴンに駐屯し、第3大隊を基幹としてシンガポールの戦いに参加しました。その後、3月3日にはシンガポールから北部スマトラ島の平定作戦を開始しました。
1943年（昭和18年）: 第1大隊をスマトラに残し、連隊の主力はアンダマン諸島に移駐しましたが、後にスマトラに復帰しました。
1945年（昭和20年）: 8月15日に終戦を迎え、9月12日にスマトラ・ビルーンにて軍旗を奉焼し、その歴史に幕を閉じました。

連隊の特徴

近衛歩兵第3連隊は、近衛師団の一員として、常に精鋭部隊としての高い練度を維持していました。日露戦争では、激戦を経験しながらも、その勇敢さと高い戦闘能力を発揮し、数々の戦果を挙げました。また、太平洋戦争では、自動車化部隊として、その機動力を活かした作戦を展開しました。

参考文献

『日本陸軍連隊総覧 歩兵編(別冊歴史読本)』（新人物往来社、1990年）
原 剛『明治期国土防衛史』（錦正社、2002年）
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
ノーベル書房編集部編『陸軍郷土歩兵聯隊写真集 わが聯隊』 ノーベル書房、1979年。
『官報』

関連項目

大日本帝国陸軍連隊一覧


この文章は、近衛歩兵第3連隊の歴史と主な活動をまとめたものです。より詳細な情報については、上記の参考文献を参照してください。

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