追分駅 (滋賀県)

追分駅：京津線の歴史と魅力を凝縮した駅

滋賀県大津市追分町に位置する京阪電気鉄道京津線の追分駅（OT33）は、同線の駅としては最西端に位置し、長い歴史と幾多の変遷を経て、現在も地域住民に親しまれる駅として存在感を示しています。この記事では、追分駅の概要から歴史、構造、周辺環境まで、詳しく解説します。

歴史：大正時代からの軌跡

追分駅は、1912年（大正元年）8月15日、京津電気軌道三条大橋 - 札ノ辻間が開通した際に開業しました。その後、1925年（大正14年）の会社合併により京阪電気鉄道京津線の停留場となり、1943年（昭和18年）には京阪神急行電鉄、そして1949年（昭和24年）には再び京阪電気鉄道の停留場となりました。

開業以来、追分駅は幾度かの大きな変化を経験しています。1932年（昭和7年）には国道1号の改修工事により、併用軌道から専用軌道へと切り替えられました。1974年（昭和49年）には西大津バイパスのインターチェンジ設置と国道1号の拡幅工事に伴い、線路が北へ約15m移設され、1979年（昭和54年）には西大津バイパス工事の進展に伴い、さらに西側に移設されています。1996年（平成8年）には800系電車に対応するため、ホームが4両編成用に延長されました。

近年では、2002年（平成14年）に「スルッとKANSAI」システムの導入、2007年（平成19年）にはICカード「PiTaPa」の利用開始など、利用客の利便性向上のための改良が加えられています。2013年（平成25年）には台風18号の豪雨により地下通路が水没する被害を受けましたが、その後復旧し、2019年（令和元年）には自動改札機が撤去され、IC専用簡易改札機・集札箱のみとなりました。

駅構造：地上駅と地下通路

追分駅は相対式ホーム2面2線の地上駅です。駅舎とホームは、線路の地下と国道1号の地下を通る南北自由通路で繋がっています。上下線で改札口が独立しており、改札内でのホーム間の移動はできません。改札口は各ホームのびわ湖浜大津寄りに設置されています。

駅員は通常、京都方面行改札口に配置され、びわ湖浜大津方面行列車到着時には反対側のホームへ移動して業務を行います。しかし、駅員配置は平日朝ラッシュ時と午後から夜間、土休日は昼間のみで、それ以外の時間帯は無人となります。

大津絵の発祥の地であることを反映し、800系電車対応時のホーム改良時に、ホーム屋根の壁面に大津絵の複製が2枚ずつ飾られました。ホーム有効長は4両分です。

利用状況と周辺環境

2009年11月10日時点の1日平均利用客数は約1,485人でした。駅周辺は住宅地が広がり、静かな環境の中に駅が位置しています。周辺には、地元住民のための生活施設や、歴史を感じさせる史跡などが点在しています。

アクセスと今後の展望

追分駅は、京阪京津線を利用してアクセスできます。周辺にはバス路線も存在しており、公共交通機関でのアクセスは良好です。今後、周辺地域の開発や人口変動に伴い、駅の利用状況や役割も変化していくことが予想されます。

まとめ

追分駅は、長い歴史と地域住民との繋がりを大切にしてきた駅です。幾度かの移設や改良を経て、現在も地域社会に貢献しています。大津絵の展示など、地域性も感じさせる駅として、これからも発展していくことが期待されます。

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