追浜商盛会

追浜商盛会



神奈川県横須賀市に位置する追浜（おっぱま）地区。この地の商業を支える商店街組織が追浜商盛会です。ここでは、追浜の市街地の変遷と商店街の活動を中心に概観します。

街と商店街の歩み



追浜の街の発展は、1929年（昭和5年）の追浜駅開業に端を発します。開業から4年後には、駅周辺で商いを営む人々が集まり、「追濱商盛會」という名の組織が誕生しました。これが、今日の追浜商盛会の起源の一つです。

1960年代に入ると、追浜には大企業の工場が進出し、多くの労働者が移り住み、新たな住宅地開発も進展しました。この時期の追浜は活気にあふれ、映画館やボウリング場のような娯楽施設、賑やかな酒場が多数存在したといわれます。しかし、時代の流れとともに、工場の規模縮小、自動車社会の到来、そして少子高齢化といった複数の要因が重なり、かつての勢いは失われつつあります。現在、商店街は新たな活力を取り戻すための模索を続けています。

その取り組みの一つとして、2014年2月には追浜駅前にデジタルサイネージを設置し、住民が出演する映像を流して好評を得ました。この成功を機に、著作権を気にせず使えるオリジナルの地域ソングの制作が企画され、2015年には地元の音楽家、響野ユカ氏との連携により、『おっぱまのうた－キラキラおっぱま』が生まれ、発表されています。

商店街独自の取り組み



追浜商盛会は、地域活性化のために様々なユニークな事業を展開しています。

  • - 追浜スタンプ券: 買い物をすると貯まるスタンプ券は、次回の買い物や抽選会に利用できるほか、かながわ信用金庫および湘南信用金庫の追浜支店で貯金として活用することも可能です。
  • - 追浜こみゅに亭: 商店街に開設されたコミュニティースペースです。地域物産の販売や個人の展示販売「わたしのこみせ」、ワインセラーでの買い物を楽しめます。音楽ライブや寄席、ギャラリーとしても利用され、多目的に活用されています。
  • - 追浜ワイナリー: 空き店舗の活用策として、2005年からワイン醸造に取り組んでいます。地元住民や近隣の関東学院大学とも協力体制を築き、運営されています。追浜独自の特産品として注目されており、他の地域団体からの視察も受け入れています。
  • - 「貝山緑地を杏の里に」: 工業地帯に囲まれながらも豊かな緑を保つ貝山緑地に杏を植え、収穫した杏を地域の名産品として活用するプロジェクトです。収穫された杏は、追浜ワイナリーでのワイン製造にも使用される計画です。

このほか、インターネットを活用した商店街の情報発信も積極的に行っています。

年間イベント



追浜では、年間を通じて多彩なイベントが開催され、多くの人々で賑わいます。

  • - 追浜健康マラソン: 毎年2月開催。子供から大人まで参加できるマラソン大会です。
  • - おっぱままつり: 例年夏に開催される一大イベント。祭りの日は商店街通りが歩行者天国となり、御輿や山車、伝統的な「追浜ソーラン」を見ることができます。
  • - フェスタよこすか夏の舞: 毎年8月頃に開催。キャラクターショーや野外ライブ、民謡輪踊り、花火大会などが催され、広場には縁日も立ち並びます。
  • - 車いすマラソン（日産カップ追浜チャンピオンシップ）: 追浜商店街と日産自動車追浜工場の敷地内をコースとする大会。毎年12月頃に行われます。
  • - おっぱまでござーる: 毎年12月頃に開かれるナイトバザールです。
  • - おっぱまワイン寄席・ジャズコンサート: 追浜ワイナリーに関連した文化的なイベントも開催されます。

周辺施設



追浜地区には、商店街の賑わいを支える様々な施設があります。


追浜商盛会とそれを中心とした追浜の街は、駅開業から始まり、産業の発展と共に賑わいを築いてきました。時代の変化による困難に直面しつつも、地域独自の多様な取り組みや年間を通じたイベントを展開し、街の活性化を目指す魅力的な地域です。

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