送り出し

送り出し：相撲の決まり手

送り出しとは、相撲の決まり手の一つで、相手の背後に回り込み、後方から相手を押し出して土俵の外に出す技です。

技のポイント

ラジオNIKKEIアナウンサーであり、アマチュア相撲二段の資格を持つ舩山陽司氏は、自身のコラムで送り出しの鉄則について以下のように述べています。

手を伸ばして背中を押すと、かわされたり、腕を取られて引っ掛けられたり、捻られたりするリスクが高い
相手の腰または尻に自分の胸や腹をぶつけていくのが正しい
太腿で相手の逃げ場をなくすと、相手は振り向く余裕もなく土俵を割るしかない

つまり、相手に反撃の隙を与えないように、密着して押し出すことが重要です。

過去の事例

2003年1月場所8日目、横綱・貴乃花は当時前頭4枚目だった安美錦と対戦し、送り出しで敗北しました。度重なる怪我の影響で本来の相撲が取れない貴乃花に対し、安美錦がこの技を決め、自身初の金星を獲得しました。この一番が貴乃花にとって最後の相撲となり、翌日引退を表明しました。

また、横綱・朝青龍もこの技を好んで使用し、高い反射神経を活かして2000年代半ばには得意技としていました。

「蹴り出し」騒動

2009年9月場所7日目、朝青龍は玉乃島戦で、当時痛めていた右膝を玉乃島の左尻にぶつけました（決まり手は送り出し）。この行為が「蹴り出し」ではないかと騒動になりましたが、舩山陽司氏は前述の鉄則を挙げ、「朝青龍は相撲の基本を守ったに過ぎない」と一般層の批判に反論しました。

このように、送り出しは、力士の体格や得意な型によって様々な形があり、奥深い技であると言えます。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
送り倒し

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