逓信総合博物館

逓信総合博物館（ていしんそうごうはくぶつかん）

逓信総合博物館は、東京都千代田区大手町にかつて存在した企業博物館であり、その愛称は「ていぱーく」と呼ばれていました。この博物館は、情報通信や郵便の歴史を伝える重要な施設として、広く知られていました。1902年に万国[[郵便連合]]の加盟25周年を記念して設立された郵便博物館が、その起源です。1910年には逓信省庁舎への移転が行われ、その後、1922年には陸軍軍医学校内の建物に移転し、「逓信博物館」と名を改めました。1964年には、逓信ビルへ移転すると同時に、日本の通信事業に関連する博物館として「逓信総合博物館」に改称されました。この名称のもと、郵政省や電信電話公社、国際電信[[電話]]株式会社などが共同で運営を行いました。

博物館の運営体制は、2001年にはKDDIが離脱し、2011年にはNHKも運営から撤退しました。その後は日本郵政とNTT東日本による共同運営が続きました。2011年3月11日には、東日本大震災の影響で臨時閉館を余儀なくされるなど、様々な困難がありました。

最終的に、2013年には老朽化したビルの再開発が決まり、逓信総合博物館は8月31日をもって閉館しました。閉館後の2014年には、郵便に関する資料が新たに「郵政博物館」として東京スカイツリータウンで再公開される一方、NTT東日本が運営していた部分は一般には公開されない状態となりました。これに伴い、所蔵品の多くがNTTの情報通信史料センターに保管されることになりました。

この博物館は、日本で唯一の総合的な情報通信関係の施設であり、郵便、郵貯、簡保、電話、インターネットなど様々な分野における資料の収集、保存、展示、調査研究を行っていました。特に、NHKが運営していた当時には、ラジオやテレビに関連した展示もあったため、多くの来館者に親しまれていました。常設展示は、通信文化協会による「郵政資料館」とNTT東日本の「NTT情報通信館」の二つで構成されており、両館は相互に連携し、訪れる人々に視覚的かつ体験的な学びを提供していました。また、期間限定の特別展示も開催されるなど、訪問者を楽しませるイベントも定期的に行われていました。

これらの展示を通じて、博物館は逓信省や郵政省が関わってきた広範な業務の歴史を伝え続けており、多くの人々にとって貴重な知識の供給源となっていました。特筆すべきは、博物館内に設置されていたアマチュア局「JA1YAA」で、これはかつて当館の所社団局としても機能していました。

閉館時には、エレキテルやモールス電信機など、いくつかの重要文化財も所蔵されていました。

現在、逓信総合博物館の存在は写真や資料を通じて残っている一方で、情報通信の歴史を後世に伝える役割は、新たに設立された博物館や資料館に引き継がれています。

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