通商産業局 (琉球政府)

琉球政府通商産業局

琉球政府通商産業局は、1965年8月1日の機構改革によって、経済局と建設運輸局の業務を統合して発足した行政事務部局です。第一次産業を除く、多岐にわたる産業と貿易を所管し、琉球政府における経済活動の中核を担いました。

所掌事務

通商産業局は、以下の事務を所管していました（1972年5月14日時点）。

商業: 商品の売買や流通に関する業務。
外資: 外国資本の導入や管理に関する業務。
工業: 製造業の育成や振興に関する業務。
鉱業: 鉱物資源の開発や管理に関する業務。
観光: 観光資源の開発や観光客誘致に関する業務。
公益事業: 電気、ガス、水道などの公共サービスの管理に関する業務。
計量: 計量器の検査や管理に関する業務。
運輸: 陸上、海上、航空の輸送に関する業務。
港湾: 港湾施設の管理や運営に関する業務。
自動車損害賠償保障: 自動車事故による損害賠償に関する業務。
金融機関、有価証券の発行及び公認会計士: 金融機関の監督や有価証券の発行、公認会計士の資格認定に関する業務。
気象: 気象観測や気象予報に関する業務。
海難の審判: 海難事故の調査や審判に関する業務。
海上保安: 海上における安全確保に関する業務。
郵政事業並びに電気通信、電波及び放送: 郵便、電気通信、電波、放送に関する業務。

これらの所掌事務から、通商産業局が琉球政府において、経済活動全般を幅広くカバーしていたことがわかります。

組織

通商産業局は、以下の組織で構成されていました（1972年5月14日時点）。

内部部局
局長直属: 局全体の運営や管理を担当。
総務課: 人事、会計、文書管理などの事務を担当。
商工部
通商課: 貿易や通商に関する業務を担当。
工業課: 工業の振興に関する業務を担当。
中小企業課: 中小企業の育成や支援に関する業務を担当。
公益事業課: 公益事業に関する業務を担当。
運輸部
陸運課: 陸上輸送に関する業務を担当。
海運課: 海上輸送に関する業務を担当。
観光課: 観光に関する業務を担当。
外局
金融検査庁: 金融機関の検査に関する業務を担当。
気象庁: 気象観測や気象予報に関する業務を担当。
海難審判庁: 海難事故の調査や審判に関する業務を担当。
海上保安庁: 海上における安全確保に関する業務を担当。
郵政庁: 郵便、電気通信、電波、放送に関する業務を担当。
支分部局
港務所: 港湾施設の管理や運営に関する業務を担当。
附属機関
物産検査所: 物産の検査に関する業務を担当。
計量検定所: 計量器の検査や管理に関する業務を担当。
工業研究指導所: 工業技術の研究や指導に関する業務を担当。
海員学校: 海上輸送に関する人材育成を担当。
専用登録事務所: 特定の登録に関する業務を担当。

この組織構造からも、通商産業局が多岐にわたる分野を所管し、琉球政府の経済活動を支える重要な役割を担っていたことが理解できます。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

琉球政府
行政主席
個人タクシー認可汚職事件

外部リンク

沖縄県公文書館

通商産業局は、沖縄の経済発展において、重要な役割を果たした行政機関でした。その幅広い所掌事務と組織構造は、当時の琉球政府の経済政策を理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。

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